事業資金を銀行から融資してもらうための条件

中小企業経営者や個人事業主にとって事業資金を銀行融資によって調達するケースは多いでしょう。

 

しかし、はじめて銀行融資を申込む場合は、審査を通過するかどうか不安を感じる経営者も少なくないはずです。

 

銀行は審査が厳しいというイメージがあるからですが、ポイントを抑えておけば銀行融資の審査を通過するのはそれほど難しいことではありません。

 

今回は銀行融資を受けるためのポイントを解説しましょう。

 

 

銀行融資を申込む前に

どんな金融機関に融資を申込む場合でも、はじめて申込する場合には事前の準備が必要です。
特に銀行融資の場合は何の準備もせずに申込すると却下される可能性は高くなります。
まずは、事前段階としてどんな準備が必要なのかを解説しましょう。

 

取引歴と業歴が重要

銀行融資では基本的に業歴が2年以上の法人や個人事業主でなければ、融資の申込も難しくなります。

 

創業や開業資金であれば別ですが、一般的な運転資金が資金使途であれば業歴は2年以上必要です。

 

また申込をする銀行との融資取引が6ヶ月以上という条件がつく銀行も少なくありません。

 

最初は比較的借りやすい少額の融資を申込して実績を作ることからはじめましょう。

 

高額な事業資金が必要となる場合に備えて、少額の借入で実績を作るというのがポイントとなります。

 

また、事業融資以外でも代表者個人でもカードローン・教育ローン・住宅ローンを利用したり、定期預金などを開設したりといった個人取引も増やしていきましょう。

 

法人としては当座預金の開設も重要です。

 

当座預金はある程度信用がなければ開設することも難しいので、当座預金を持つことは融資審査にもいい影響があります。

 

全体的には融資を申込む銀行との取引を増やして、メインバンクにすると融資審査もスムーズになります。

 

銀行を選ぶ

銀行といっても都市銀行から地方銀行、信用金庫までさまざまな金融機関があります。

 

自社の規模や借入希望金額に応じて適切な金融機関を選ぶことも大切です。

 

メガバンクと呼ばれる都市銀行は大手企業しか相手にしないイメージがありますが、最近では中小企業向け事業融資にも力を入れています。

 

高額融資を希望する場合は都市銀行との取引を積み重ねて実績を作っておきましょう。

 

地方銀行は地元に密着しているので、中小企業者が一般的な運転資金を調達するには向いています。

 

信用金庫はさらに地元に密着していますが、小規模な信用金庫ではあまり大きな融資金額では対応できないこともあります。

 

しかし、信用金庫は地元の商店主等の自営業者、個人事業主にとっては融資の相談もしやすいので向いているといえるでしょう。

 

このように融資金額や事業規模にあわせて融資申込する金融機関を決めましょう。

 

銀行以外の選択肢も検討する

銀行融資を申込む前に銀行以外の選択肢も十分検討しておきましょう。

 

▼日本政策金融公庫
政府系金融機関の日本政策金融公庫は低金利で幅広い事業資金に対応しています。
特に創業融資・起業融資など高額な事業資金の調達に向いています。
政策的に中小企業を援助するという公的融資なので、はじめてでも申込でも審査を通過する可能性は高くなります。

 

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▼ノンバンクビジネスローン
消費者金融会社信販会社のビジネスローンは高金利となりますが、少額融資であれば金利負担も少なく、即日融資も可能なので検討の余地はあります。
緊急のつなぎ融資としては十分利用価値があります。

 

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▼ファクタリング・手形割引
融資による借入は会計上マイナスの資産として計上されます。
負債が多いほど銀行融資の審査でも不利になるので、借入以外で対応できる場合はなるべく融資に頼らないようにしましょう。
売掛債権があればファクタリング、受取手形は手形割引で現金化すると効果があります。

 

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銀行融資商品を選ぶ

同じ銀行融資でも融資商品によって特長があります。
適切な融資商品を選ぶことも大切です。

 

プロパー融資

銀行のプロパー融資は直接銀行がお金を融資する最も一般的な融資です。

 

銀行としては信用保証協会も付かないためリスクはすべて銀行で負うことになり、審査基準は高くなります。

 

プロパー融資を受けるためには、それなりに銀行との取引が長く実績がある企業でなくてはいけません。

 

はじめて融資を申込む場合、プロパー融資は避けたほうが無難です。

 

また、銀行側も取引の少ない企業に対してはプロパー融資をすすめることもありません。

 

プロパー融資は実績を充分に積み重ねてから利用できる融資という認識をしておきましょう。

 

信用保証協会の保証制度

銀行の事業融資では法人申込の場合は必ず会社代表者が連帯保証人となります。

 

しかしそれ以外にも第三者の保証人を要求されることも少なくありません。

 

この場合は信用保証協会を連帯保証人として付けることで対応することができます。

 

信用保証協会は公的機関で、中小企業が融資を受けやすくするために設立されています。

 

以前は100%の保証率でしたが、現在では80%の保証率で、残りの20%は銀行がリスクを負います。

 

それでも銀行の審査は通りやすくなるので第三者保証人が見つからない場合には信用保証付融資を利用しましょう。

 

ただし、信用保証協会の審査もあるので融資実行までに時間がかかる、保証料がかかるというデメリットもあります。

 

プロパー融資と保証付融資の違い

 

各種制度融資

地方自治体が取り扱う制度融資も銀行窓口経由で申込することができます。

 

制度融資は低金利で利子補給の制度などもあるので、中小企業にとっては大きなメリットがある融資制度です。

 

ただし適用要件があり融資金額にも制限があるため、必ず利用できるというわけではありません。

 

銀行は単なる受付窓口という場合がほとんどなので、利用実績はあまり銀行取引には影響がありません。

 

地方自治体が取り組む制度融資とは

 

銀行カードローン

銀行カードローンは個人向け融資商品なので、直接事業資金には使うことができません。

 

しかし個人事業主にとっては生活資金をカードローン利用することで、その分を事業資金に振り向けることができます。

 

個人事業主への事業融資は審査が厳しいこともあるので、間接的に銀行カードローンを活用することも検討しましょう。

 

ビジネスローンよりも銀行カードローンが低金利

 

銀行の融資審査のポイント

銀行融資に限らずあらゆる融資審査では、最終的に返済能力があるかどうかという点が判断の重要なポイントとなります。

 

それでは銀行はどんな観点から返済能力を判断しているのでしょうか?

 

決算書が重要な判断材料

法人を審査する場合は決算書の内容が重要な審査ポイントとなります。

 

▼黒字か赤字か

銀行融資審査では決算書の損益計算書で黒字か赤字を最初にチェックします。
売上総利益は原価を控除しただけの利益なので、これがマイナスであれば審査は通りません。

 

さらに営業利益や経常利益が赤字の場合も審査通過が難しくなるので、ここが赤字の場合は合理的な赤字の理由を説明しましょう。
赤字が一過性であることやその改善策を口頭ではなく、改善計画書などの書類を準備して提出しましょう。

 

▼純資産
貸借対照表の資産から負債を差し引いた金額が純資産となります。
純資産がマイナスであれば債務超過となるので、審査の通過は厳しくなります。

 

そのため普段から融資ではなく現金化で対応できる場合は、ファクタリング・手形割引を利用して負債を増やさないようにしましょう。
なるべく融資に頼らないことが、ほんとうに必要な融資を申込む場合に役立ちます。

 

▼在庫と売掛金
銀行が粉飾決算を疑うケースとして、売上が横ばいで在庫や売掛金が増加している場合があります。

 

黒字決算に見せかけるためには在庫や売掛金を増やすのが最も簡単だからです。

 

在庫や売掛金が増加している場合は必ず積極的に合理的な説明をしましょう。

 

そのままにしておくと粉飾決算と判断されて審査を通過しない可能性が高くなります。

 

上記のように決算書から判断されることは事前にチェエックして、合理的な説明ができるように準備しておきましょう。

 

また普段から決算書をチェックして審査にマイナスとなる点は改善するようにしましょう。

 

担保付き融資と無担保

銀行融資でも無担保の融資商品がありますが、無担保融資でも提供できる担保があれば審査で有利になる場合があります。

 

差し入れするのは不動産担保だけではなく債権でも可能です。

 

売掛債権や有価証券、株券、預金も担保として差し入れることが可能です。

 

担保を差し入れると銀行側の保全となるのでリスクが軽減され、審査を通過しやすくなります。

 

また、金利を下げる交渉も可能となるので融資利用者にとってもメリットがあります。

 

担保提供が可能であれば銀行担当者によく相談してみましょう。

 

資金使途を明確に

銀行融資は低金利なので、資金使途がはっきりしていない場合は貸付を断ることがあります。

 

事業融資の場合は設備資金や運転資金が資金使途であることがほとんどです。

 

設備資金は資金使途を証明しやすいですが、運転資金に関しては口頭の説明では不十分です。

 

資金繰り表を作成して資金使途を合理的に説明することが必要です。

 

普段から資金繰り表を定期的に作成しておけば、融資審査だけでなく経営にも役立ちます。

 

まとめ

中小企業者にとっては銀行融資で資金調達をするというのは一般的なことです。

 

しかし銀行融資をはじめて利用するときは事前の準備も必要です。

 

経営者としては銀行融資だけでなく公的融資制度からノンバンクまで幅広く活用することも重要です。

 

融資額によって利用する融資を選択すればさまざまな事業資金に対応することができます。

 

その中でも銀行融資はメインとなる資金調達方法なので、銀行取引については長期スパンで考え、信用力を付けましょう。