事業資金の借り換え前に知っておくべきポイント

借り換えという言葉は住宅ローンを利用している人であれば、よく聞く言葉でしょう。

 

この借り換えは上手に利用すると金利負担を軽減したり、返済期間を短くしたりできます。

 

住宅ローンだけでなく事業融資でも借り換えすることができますが、借り換えするメリットがあるかどうかを事前に見極める必要があります。

 

今回は事業資金の借り換えを成功させるために、事前に知っておくべきポイントをご紹介しましょう。

 

 

銀行融資を申込む前に

まずは借り換えの基本的な知識についておさらいしておきましょう。

 

高金利から低金利への借り換え

借り換えは当初借入したときよりも金利が下がったタイミングで、低金利の融資に切り替えするというのが基本です。

 

具体的には新規に融資を受けて借入した金額で、既存の融資残高を一括して支払います。
つまり借り換えをすることで既存の融資は完済し、あらたに低金利の融資契約に基づいて返済が始まるということになります。

 

高金利から低金利に借り換えをすることで、毎月の返済金額を軽減したり返済期間を短縮したりできます。

 

借り換えをするタイミングとしては、金利市場が下降傾向にあるときというのが原則です。

 

特に住宅ローンのように返済期間が長い融資では、年1%の利下げでも利息負担はかなり軽減されます。

 

変動金利と固定金利

借り換えをする場合は変動金利と固定金利の選択も重要となります。

 

固定金利

融資契約時の実質年率が融資完了時まで継続する。
変動金利よりも高い金利設定となる。

 

変動金利

固定金利よりも低い金利設定だが、年2回金利の見直しがある。
また返済金額も5年に1回見直しされる。

 

住宅ローンでは「固定金利特約型」という固定金利と変動金利を組み合わせた返済方式があります。
2年〜10年は固定金利で返済して、一定期間経過後に金利を見直しすることができる返済方式です。

 

諸費用を組み込むことも可能

融資を実行する場合は諸費用が発生します。

 

特に不動産担保が原則となっている住宅ローンの場合は、抵当権設定費用が必ず発生します。
金額によっては高額な諸費用となることもあるので、借り換え時には新規融資の金額に含めることも可能です。

 

しかし、事業性融資の借り換えの場合は、諸費用は印紙代や事務手数料程度なのでそれほど高額にはならず、別途支払うほうがいいでしょう。

 

借り換え可能な事業融資

同じ事業融資でも銀行融資や日本政策金融公庫、ビジネスローンなどいろいろな種類があります。
それぞれ借り換えが可能かどうかを確認してみましょう。

 

日本政策金融公庫の借り換え

日本政策金融公庫から借入した事業融資も借り換えすることは可能です。
ただし、同じ日本政策金融公庫の融資制度を利用する場合に限られるので、借り換え目的というよりは新規融資の借入が主な目的となります。
つまり新規に借入をしたいけれども、既存の融資の返済があるので一本化したいという場合に利用します。

 

そのため日本政策金融公庫の借り換えには既存融資の残高に関する条件がつきます。
既存融資の残高が融資金額の半分以下でなければ、新規融資での借換はできません。

 

民間金融機関からの借入残高を借り換えできないのは、日本政策金融公庫が民業を圧迫しないようにするためです。

 

低金利の日本政策金融公庫が積極的に借り換え融資をしてしまっては、民間金融機関の残高が激減することになります。
そのため日本政策金融公庫では民間の借り換えをしないのです。

 

銀行融資の借り換え

銀行融資にはプロパー融資と信用保証協会付き融資の2種類がありますが、どちらも借り換えが可能です。

 

プロパー融資の借り換え

プロパー融資は中小企業の中でも優良企業でなければ受けることができない融資です。
そのため金利面でも優遇されているので、メリットがある借り換えはそれほど望めません。

 

優良な中小企業で他行から低金利での借り換えを提案されるといったケースがほとんどです。

 

その場合でもメインバンクを切り替えることにもなるので、融資条件以外にも借り換え先の銀行がメインバンクとしてふさわしいかどうかも考慮する必要があります。

 

信用保証協会付き融資の借り換え

信用保証協会からの借入は制度として借り換えのシステムがあります。
中小企業庁による「借換保証制度」がその借り換えシステムです。

 

保証には一般保証制度とセーフティネット保証制度がありますが、どちらでも借り換えができ、対象となる保証付き融資は複数の銀行からの借入でも構いません。
銀行のプロパー融資を含めた借り換えはできませんが、借り換えする場合はプロパー融資の返済も考慮しましょう。

 

また、責任共有制度(保証協会80%銀行20%の責任割合)の融資を借り換えする場合は、同じ責任共有制度で借り換えする必要があります。

 

保証付借入金が複数あり返済が難しくなった中小企業者は、一度、信用保証協会に相談してみましょう。

 

ノンバンクのビジネスローン借り換え

高金利のノンバンクビジネスローンは、最も借り換えによるメリットが高いといえます。
ビジネスローンは実質年率10%を超える金利が多いため、それを2〜3%の銀行融資に借り換えすれば、返済額を大幅に減らすことができます。

 

特に複数のビジネスローンをまとめて借り換えするほどメリットが大きくなります。

 

ただし、銀行で借り換えができるかどうかは、申込する中小企業者に信用力によります。
まずはおまとめローンを取り扱っている銀行から相談してみましょう。

 

借り換えするかどうかの見極めと条件

借り換えは可能でも借り換えしてメリットがあるかどうか、条件を満たしているかどうかもチェックする必要があります。

 

返済総額が減少するかどうかがポイント

借り換え融資を実行して返済額が減少しても、トータルで返済負担が増えてしまっては意味がありません。

 

借り換えをする場合は毎月の返済金額ではなく、融資期間も考慮して契約する必要があります。
そのためには返済総額が減少するかどうかをひとつの目安にしましょう。

 

融資利率が下がり、返済期間も当該融資期間以下で、返済総額も減少すれば借り換えによるメリットは十分にあります。
反対に返済金額も同じで返済総額もそれほど減少しないのであれば、借り換えする意味がありません。

 

返済期間延長で返済は楽になりますが、借り換え期間中は新規借入が難しくなることを考えると得策ではありません。
返済総額の減少を基準にして借り換えするかどうかを決定しましょう。

 

既存の返済が延滞してれば借り換えできない

借り換え先となる金融機関では必ず既存の返済状況をチェックします。
口座振替であれば返済口座の写しでチェックする場合もありますが、個人信用情報機関の情報で返済状況をチェックすることもできます。

 

借り換えの対象となる債務だけではなく、他社利用はすべて返済状況をチェックされます。
金融期間が借り換えするメリットには、優良企業の獲得という点も含まれます。

 

延滞や未払いがある場合、借り換えの審査は通らないので、既存融資の借入先にリスケ(リスケジューリング)で返済方法を見直ししてもらいましょう。

 

融資条件は基本的に同じ

借り換え融資をする場合、借り換えの対象となる融資を実行した条件はほぼ同じにする必要があります。
つまり保証人や担保も継承するのが一般的です。

 

住宅ローン以外の担保融資はあまり借り換えしませんが、連帯保証人が付いている借入を借り換えする可能性はあります。
1件の借り換えであれば、そのまま連帯保証人の継続することは問題ないでしょう。

 

しかし、保証人なしの借入も含めた複数の借り換えの場合は、連帯保証人の負担が大きくなります。
その場合は金融機関に連帯保証人なしで取り扱う交渉してみましょう。

 

借り換えのデメリット

銀行融資を借り換えする場合はそのデメリットもよく考えましょう。
既往借入金を他行で借り換えた場合は、現在の取引銀行から新規銀行にメイン銀行を乗り換えるということになります。
つまり借り換え後は既存の銀行から融資を受けることが難しくなるということです。

 

また、単純に借り換えだけをすると返済が困難になって、リスケの代わりに借り換えをしたのではないかという疑念を持たれます。
そのため銀行融資の借り換えは、同じ銀行から新規融資を受けて既存の借入金額も含めるという方法がベストです。
そうすることで銀行も融資残高が増えて、他行に乗り換えられないというメリットがあります。

 

会社経営者としては銀行取引にも考慮して借り換えを考えましょう。

 

まとめ

事業資金の借り換えの注意点についてはおわかりいただけたでしょうか?

 

基本的に借り換えは金利を下げることで返済金額を減らすことが目的ですが、借り換え後についても考慮した上で検討しましょう。

 

適切な借り換えはその後の事業運営に良い影響があるので、高金利で借りていた場合は積極的な借り換えも必要です。