法人と個人事業主の違いとは?個人事業主から法人化するメリットはある!?

事業を運営する形態は大きく分けて、法人と個人事業主の2つあります。

一般的には小規模の事業であれば個人事業主、規模が大きくなると会社設立をして運営するというイメージがあるのではないでしょうか。

しかし、具体的に個人事業主と法人の違いを明確に答えられる人は少ないことと思います。

違いを把握するとともに、それぞれにどのようなメリットとデメリットがあるのかを知ることで、個人事業のまま事業継続するか、それとも法人化をし事業拡大に踏み出すかの判断に迫られることもでてくるでしょう。

今回は法人と個人事業主の違いを解説し、法人化した際のメリットとデメリットを確認します。

法人と個人事業主は開業手続きから違いがある

まずは法人と個人事業主の違いを比較しながら検証します。

個人事業主の開業はシンプル

個人事業主が開業する場合は税務署に開業届を提出するだけで終ります。
正確には「個人事業の開業・廃業等の届出書」と言い、申請には費用もかからず、特別な準備も必要としないので手続きは1日で終わります。

注意点は届出書を記入したら控えとしてコピーをとり、原本を税務署に届け出たる際、コピーした届出書に受付印をもらっておいてください。

この届出書の控えはビジネス口座の開設などに使用します。

提出は郵送でも可能ですが、その場合はコピーした届出書も返信用封筒を同封して送ることを忘れないようにしましょう。

法人設立には書類提出だけでなく費用もかかる!

一方で法人を設立する場合は、個人事業を立ち上げるのに比べて費用と手間がかかります。

株式会社の場合、「定款」を作成して認証してもらうために公証人役場に支払う費用があります。

収入印紙4万円に加えて公証人の手数料5万円、定款の謄本手数料が1ページあたり250円がかかります。

ただし電子定款の場合、収入印紙は不要です。

さらに法務局に登記する際、登録免許税が15万円必要となり、最低でも20万円超の費用がかかります。

なお、法人は解散するときも、解散登記や公告が必要で費用として数万円かかります。

一方で個人事業主は開業届と同じ用紙で廃業届をするだけなので、開業や廃業にかかる費用としては個人事業に圧倒的なメリットがあります。

税金は法人が有利。経費や赤字繰越しなど、手間に見合ったメリット

法人と個人事業主では税金面では、どのような違いがあるのでしょうか?

一般的には法人化すると税制面にメリットがあると言われていますが、具体的にはどういった利点があるかを確認します。

まず、法人の場合は個人事業主と比較し、経費と認められる内容が多いというメリットがあります。

経費として認定される項目が多いと課税対象の利益(所得)が少なくなるため、必然的に納付する税額も少なくなります。

例えば生命保険料は個人事業の場合、一定金額が所得控除されますが、法人の場合は全額経費とすることができます。

また、個人事業では従業員の給与や配偶者や家族などの給与が経費として認められています。
法人の場合はさらに代表者や役員の報酬も経費として認められています。

確かに認められている経費は法人のほうが有利ですが、個人事業が必ずしも納める税金が多いということにはなりません。

それは個人と法人では税率に違いがあるためです。
同じ税率であれば法人が有利ですが、事業規模が大きくなると税率が高まり、納税金額も大きくなるため違いが生まれます。
だとするなら、法人のほうが税金が大きく、厳しく取られると思うかもしれません。

ところが法人のメリットは経費ではなく赤字の繰越期間が長いというのも挙げられます。

個人事業主は青色申告者の場合でも赤字の繰越は最長3年ですが、法人では最長9年まで認められおり、ビジネスを軌道に乗せ事業を拡大を推進しやすい環境を整えられます。

この大きなメリットからもわかるように、事業を大きく成長したいと願うなら、法人化しメリットを享受できるようにしていくのが先決であると言えるのではないでしょうか。

法人化すると会計士や税理士をつけないとダメなの?

法人化すると個人事業主と違い、会計や経理の専門知識が必要な決算書の作成があります。
ただ提出するだけでも大変な決算書ですが、税制の改正も頻繁に行われるため、専任で担当するだけでなく、専門知識も問われます。

ところが近年登場する会計ソフトは個人事業主だけでなく、小規模な法人であれば専門知識がなくてもサクサクと入力でき、決算書の作成もできることと思います。

ただし、会社規模が大きくなるにつれ、専門的なノウハウが必要になってきたり、専門知識がないため決算での正確性を欠き、税務調査で指摘が入るなってこともあります。

そのため事業規模の小さなうちは会計ソフトだけでも大丈夫ですが、大きくなるにつれ専門職の必要性を感じるのではないでしょうか。

経理専任の職員を雇用したり、外部の税理士に委任したりするにしてもコストはかかってしまいますが、経営に集中するためにも必要な人件費であると言えます。
すぐに必要ではないかもしれませんが、将来を見越した判断が必要になってきます。

法人化することで信用力が高まる!

取引先が個人事業主と法人では、圧倒的に法人であるほうが信用はあると判断する人が多いでしょう。

個人事業主は開業の手続きが簡単で費用もかからず、だれでも事業をはじめることができますが、その手軽さから信用度はイマイチとも言えます。

法人を設立するにはお金がかかりますが、それは法人を設立できるだけの資金があるという証拠にもなります。

また事業規模と利益が大きい事業者ほど法人化を決意することもあり、個人事業主よりも法人が信頼されるのは当然と言えるでしょう。

開業時に数百万円程度の利益しか見込めない場合は個人事業主からスタートし、安定して1,000万円前後の利益が見込めるなら法人からはじめてみるのも良いかと思います。

また、個人事業主から法人化する場合であっても、安定して1,000万円前後の利益を稼げるというのを1つの目安にしてみてはいかがでしょうか。

個人事業主と法人の違いのまとめ

個人事業主と法人の違いをわかりやすいように表にまとめてみたので、どちらからスタートしていいか迷っている人は参考にしてください。

比較項目 法人 個人事業主
設立、開業時の費用 20万円以上 なし
設立、開業の手続き 定款作成、商業登記 開業届け
事業の廃止 解散登記、公告 廃業届
認められる経費 多い 少ない
赤字の繰越し 最長9年 最長3年
信用度 高い 低い

上記の表は大雑把なものですが、全体的に開業時の費用面では個人事業主にメリットがあります。

反対に設立してからは税制面で法人にメリットがあります。

一定以上の利益を確保できるまでは個人事業主として事業を続け、その後に法人化を考えるといいでしょう。

個人事業の法人化によるメリットとデメリット

お金をかけずに事業をスタートさせるには個人事業主が有利であることはわかりましたが、ある程度事業規模が大きくなると会社経営者となることでメリットが大きくなります。

法人化のメリット・デメリットを検証してみます。

法人化による税制上のメリット

個人事業主は年度末に所得税の確定申告を行います。

個人の所得税率は所得金額に応じて5.0%~45.0%の間で変動しますが、法人税は優遇税率があり、中小企業では15.0%~23.4%です。

個人事業主は所得額が大きいほど法人税よりも高い税率となります。

さらに法人代表者などの役員報酬は給与所得として経費にできるため、代表者個人が申告所得をすることになります。

例えば、個人事業主の課税所得 1,000万円と、法人利益の1,000万円(代表者の報酬700万円)で比べてみましょう。

個人事業主:課税対象は1,000万円全額(税率33.0%)
法人(代表者):1,000万円-700万円=課税対象300万円(税率23.4%)

代表者の所得700万円には給与所得控除があるので、実際の所得税額は以下のとおりです。

 {700万円-(700万円×10%+120万円)}×20%-42万7千5百円=59万2千円

個人事業主:330万円-153万6千円(基礎控除)=146万4千円
法人(代表者):300万円×23.4%+59万2千円(基礎控除)=129万4千円

上記のように法人は明らかに税負担の面ではメリットがあり、さらに認められる経費も多いため、法人化した際のメリットは大きくなります。

法人化その他のメリット

税金面以外での法人化のメリットには以下のメリットがあります。

・資金調達が容易になる
・個人事業よりも信用力が高くなる
・決算月を自由に設定できる
・事業継承が容易

個人事業よりも信用力が高くなるという点は対取引先だけでなく、金融機関に対しても同様です。

その結果として銀行融資が受けやすくなり資金調達も容易になります。

個人事業主は1/112/31までが決算期として一律に定められていますが、法人の場合は自由に研鑽機を決めることができます。

また、個人事業の場合は本人が死亡した場合、事業をそのまま継続することは難しいですが、法人の場合は代表者を変更することで事業の継続は簡単にできます。

法人化のデメリット

法人化する場合のデメリットは以下のとおりです。

・設立、維持、解散にも費用がかかる
・規模に関係なく社会保険の加入義務がある
・接待交際費が全額経費にならない
・赤字でも納税義務がある税金(住民税など)がある
・個人に比べて税務調査の可能性が高くなる

全体的に税制面では個人に比べて優遇されますが、会社の設立から解散まで常に費用がかかるという点が大きなデメリットです。

個人事業を法人化する場合は、これらのメリットやデメリットを考慮した上で決定しましょう。

法人、個人事業主の区別なく利用できる法人カードローン

法人でも個人事業主としても利用できる法人カードローンがあれば、つなぎ資金の調達先として緊急時に強みを発揮してくれます。

おすすめの法人カードローンとしてはビジネクストのカードローンがあります。

ビジネクストは大手消費者金融のアイフルグループの消費者金融です。

一般的な消費者金融ではなく、事業者だけを対象とした消費者金融会社です。

法人カードローンだけでなく、ファクタリングや不動産担保ローン、法人クレジットカードといった幅広い事業者向けサービスを提供しています。

金利は年8.0%~18.0%と高金利ですが、最大1,000万円までの融資が可能です。

高金利による負担は短期返済や少額利用でカバーできるので、短期返済のつなぎ資金などに利用しましょう。

申込者は個人事業主だけでなく、法人も対象となるのでどちらでも利用できる法人カードローンです。

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