固定資産税を軽減させるための取り組み

固定資産税の納付は不動産所有者にとっては避けられない税金です。

 

事業用の土地建物であっても居住用の不動産でも、所有していれば必ず納税義務が生じるのが固定資産税です。

 

しかも高額になる固定資産税なので、その軽減措置を充分に理解していないと大きく損をすることになります。

 

今回は固定資産税を軽減する方法を徹底的に解説します。

 

 

固定資産税の納付

まずは固定資産税の対象や納付金額、納付時期などについて簡単に解説しましょう。

 

固定資産税の対象

基本的に土地建物が固定資産税の対象となり、納税義務者は課税対象年の1月1日時点での所有者となります。

 

固定資産には土地建物以外にも、法人や事業主が所有する事業用の機械や設備などがあります。

 

これらは償却資産税として税金が課せられるので、基本的には固定資産税の対象にはなりません。

 

しかし、税率がほぼ同じ1.4%であることからも、課税目的は同じと言っていいでしょう。

 

固定資産税の納付時期

固定資産税は市町村や東京都に納付しますが、納付時期は統一されていないので、居住する各市町村で確認しておきましょう。

 

参考までに27年度の東京都23区の納期は次のとおりです。

 

・第1期納期  6月30日
・第2期納期  9月30日
・第3期納期 12月28日
・第4期納期  2月29日

 

他の地域もそれほど大きな違いはないので、一応の目安として覚えておきましょう。

 

もちろん納期までに納税しないと延滞税が加算されるので注意しましょう。

 

不動産評価と税率

固定資産税は不動産評価額に対して1.4%課税されるのが基本です。

 

土地評価は「路線価表」、新築建物は各市町村による「新築建物課税標準価格認定基準表」、中古建物評価は再建築にかかる費用を算出し経年減価します。

 

不動産評価の正確な金額は毎年5〜6月頃に届く「固定資産税納税通知書」で確認できます。

 

この評価額に1.4%をかけた金額が固定資産税額です。

 

 

固定資産税の軽減措置

固定資産税に限らず減税の申請は自分で行なわなければいけません。

 

自動的に減税になる制度はほとんどないので、自分に当てはまる減額措置は確認し、必ず自分で申請しましょう。

 

土地に対する軽減措置(住宅用地特例)

人が居住するための建物(自宅・アパート・併用住宅など)の敷地として利用している土地に関しては、固定資産税の軽減措置があります。

 

住宅用地には専用住宅と併用住宅があり、居住部分の割合によって敷地面積に住宅用地の率をかけます。

 

家屋の種類

居住部分の割合

住宅用地の率

専用住宅 全部 1.0
地上5階以上の耐火建築物である併用住宅 4分の1以上2分の1未満 0.5
2分の1以上4分の3未満 0.75
4分の3以上 1.0
上記以外の併用住宅 4分の1以上2分の1未満 0.5
2分の1以上 1.0

 

住宅用地の率をかけた後の敷地面積に応じて、さらに小規模住宅用地と一般住宅用地に分けられ特例が適用されます。

 

▼小規模住宅用地
200平方メートル以下の住宅用地を「小規模住宅用地」といい、固定資産税の課税標準額については、価格の6分の1とする特例措置。

 

▼一般住宅用地
小規模住宅用地以外の住宅用地を「一般住宅用地」といい、固定資産税の課税標準額については、価格の3分の1にする特例措置。

 

例えば敷地300平方メートルの一戸建ての住宅用地であれば、200平方メートルが小規模住宅用地、残りの100平方メートルが一般住宅用地。

 

つまり住宅規模により価格が減額されることで、固定資産税の標準税額が下がる特例です。

 

新築住宅の軽減措置

土地については居住用土地の固定資産税が減額されることがわかりましたが、建物に対する減額措置もあります。

 

▼新築住宅における固定資産税の軽減
居住部分1/2以上の戸建て新築住宅は3年間固定資産税1/2(マンションは5年間)

 

上記の減額を受けるためには床面積が、50u(一戸建以外の貸家住宅は40u)以上280u以下の要件を満たす必要があります。
建物に関しては上記以外にも要件を満たせば軽減措置を受けられるのでご紹介しましょう。

 

▼認定長期優良住宅に対する軽減措置
新たに固定資産税が課されることとなった年度から5年度分(3階建以上の耐火・準耐火建築物である場合には、7年度分)、固定資産税額の2分の1が減額されます(1戸あたり床面積 120 u相当分までが限度)

 

▼耐震化のための建替え・改修を行った住宅に対する軽減措置
・新築後新たに課税される年度から3年度分について全額減免
・改修完了日の翌年度1年度分(通行障害既存耐震不適格建築物に該当する場合は2年度分)について住宅1戸あたり120uの床面積相当分まで全額減免

 

▼バリアフリー改修を行った住宅に対する軽減措置
改修工事完了年の翌年度分の固定資産税を3分の1減額(当該住宅の1戸あたり100uの床面積相当分まで)

 

▼省エネ改修を行った住宅に対する軽減措置
バリアフリー改修に同じ

 

各軽減措置にはそれぞれ要件があるので、各市町村のホームページや窓口で確認しましょう。

 

バリアフリー改修工事と省エネ改修工事を同じ年に実施した場合は、同時に軽減措置を受けられるので2/3の減額となります。

 

なお耐震工事は全額免除なので他と組み合わせてもそれ以上の軽減措置は受けられません。

 

軽減措置の申請・減税の申告

各種軽減措置は居住地域の市町村や東京都に、所定の申請書を提出することで申請します。

 

各市町村のホームページで申請書がダウンロードできるので活用しましょう。

 

基本的には工事終了後3ヶ月以内の提出なので遅れルト受け付けられないこともあります。

 

できれば工事業者など専門家に事前相談しておくと、スムーズに手続ができるでしょう。

 

固定資産税の軽減の他に、新築工事・改修工事を実施したことで、所得税の特別控除も受けることができるので併せて利用しましょう。

 

新築住宅の所得税減額

住宅建築に関して所得税減税を受けるときは、現金払いと住宅ローン利用で違いがあります。

 

住宅ローンがある場合は、「住宅ローン残高の1%、10年間、最大控除額40万円」が控除されます(中古住宅購入も同じ)。

 

長期優良住宅認定(後述)を受けると控除額は最大50万円となります。

 

現金で住宅を新築・購入した場合は上記の減税は受けることはできませんが、低炭素住宅(省エネルギー住宅)や長期優良住宅(耐久性の高い住宅)の場合は減税があります。

 

控除対象限度額は650万円、控除率10%で最大控除額は65万円、入居年度のみの控除です。

 

改修工事の所得税減額

下記の改修工事に関しても所得税控除を受けることができるので、対象となる改修工事をした場合は忘れないようにしましょう。

 

・要耐震改修住宅を取得し、住宅耐震改修を行った場合(住宅借入金等特別控除)
・増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
・借入金を利用して省エネ改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除)
・借入金を利用してバリアフリー改修工事をした場合(特定増改築等住宅借入金等特別控除)
・省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)
・バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)

 

新築住宅も含めてこれらは確定申告書に必要書類を添付して控除申請します。

 

長期優良住宅認定

長期優良住宅の認定を受けると税金の優遇を受けやすくなります。

 

同じ住居を建築するのであれば、始めから優遇措置を意識して新築するのもひとつのやり方です。

 

長期優良住宅の認定を受けるために必要な要件をご紹介しましょう。

 

・「劣化対策」
・「耐震性」
・「維持管理・更新の容易性」
・「可変性」
・「バリアフリー性」
・「省エネルギー性」
・「居住環境」
・「住戸面積」
・「維持保全計画」

 

上記にはそれぞれ技術的な要件が含まれているので、建築を依頼する業者に事前に相談しましょう。

 

長期優良住宅の認定は工事着工前に受ける必要があります。

 

申請は建築基準確認をする建築主事がいる市町村に行ないます。

 

長期優良住宅に認定されると次のようなメリットがあります。

 

●住宅ローン減税:年間最大控除額は一般住宅の40万円に対して50万円
●投資型減税:住宅ローンを利用せず現金購入の場合でも初年度のみ控除が受けられる(最大65万円)
●各種税金軽減
・登録免許税:0.15%→0.1%(保存登記の場合)
・不動産取得税:1,200万円控除→1,300万円控除
・固定資産税:1/2減税年数が2年延長(戸建て3年→5年、マンション5年→7年)
●住宅ローン優遇:最長50年返済可能(フラット50)、フラット35の金利優遇(0.25%前後)

 

リース契約を活用して固定資産の負担を軽減

まとまった資金が必要となる固定資産の一括払いをしなくてもよくする方法がリース契約です。

 

社用車にせよ、パソコンなどの機器に関しても固定資産の大きな出費に耐えるには自己資金を持ち合わせが必要になります。

 

リース契約を利用すれば毎月のリース料として支払いすることが可能です。

 

しかし、リース契約は契約会社の固定資産を貸し出ししてもらうイメージなので、企業はそれに対して毎月リース料を支払う必要があり、基本的には借入金の返金をするのと同じような流れになります。

 

リース契約では一括のまとまった出費分を抑えられるのが大きなメリットですが、リース料に対する利息分や契約期間のトータル支払い額では通常購入よりも高くなってしまうので、結果的には銀行から借入して購入する方がお得になります。

 

まとめ

固定資産税については不動産を所有する人は全てが課税対象となるため、優遇措置も多いという特長があります。

 

また住宅の取得や増改築に関しても所得税控除もあり、それぞれ条件や要件があり複雑です。

 

特に新規に不動産を取得する場合は事前によく調査する必要があります。

 

各種控除や優遇措置を見のがさないためにも、新築・改修に関しては施工業者、住宅ローンは銀行融資担当者などの専門家に必ず相談しましょう。