日本政策金融公庫なら低金利で借りれる

中小企業経営者や個人事業主にとっては、担保物件がなくても低金利で借りられる日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫(国金))は貴重な存在です。

 

最も高い金利でも2%台という低金利は銀行よりも有利と言えるでしょう。

 

事業資金調達先として日本政策金融公庫を第一に考えるのが得策です。

 

今回は日本政策金融公庫の金利体系について徹底的に解説しましょう。

 

政府100%出資の日本政策金融公庫とは

 

 

日本政策金融公庫の金利の種類

日本政策金融公庫の金利は何種類かに分けられていて、融資制度や条件によって割り当てられる形となっています。

 

まずはその金利の種類からご紹介しましょう。

 

基準金利と特別利率

日本政策金融公庫の金利体系の基本として、担保の有無や融資制度によって決まっている基準金利があります。

 

さらに条件を満たした場合により低金利の特別利率(特利)を適用するしくみとなっています。

 

主な基準金利と特別利率は下記のとおりです。

 

 

参照元:国民生活事業の主要金利一覧

 

固定金利と変動金利

金利には固定金利と変動金利がありますが、日本政策金融公庫の金利は固定金利です。

 

銀行融資でも2%台の事業性融資がありますが、銀行はほとんどが変動金利となっています。

 

同じ2%台の金利でも固定金利と変動金利では雲泥の差があります。

 

固定金利も金利情勢によって金利が変動しますが、一度融資実行となった金利は完済まで変わることはありません。

 

しかし、変動金利の場合は半年に1回金利が見直され、返済途中でも金利が変わります。

 

そのため金利が上昇する期間が長いほど完済までの期間が長くなったり、毎月の返済金額が大きくなったりします。

 

その点日本政策金融公庫の固定金利は、安定して低金利で返済できるので安心です。

 

金利の幅

日本政策金融公庫の金利はすべて0.4%〜1%程度の幅を設定しています。

 

この金利幅の中でどのように適用金利を決めているのでしょうか?

 

基本的に初めての申込であれば、金利幅の中でも最も高い金利が適用になると考えましょう。

 

日本政策金融公庫は政府の方針でなるべく貸し付ける方向で審査していますが、まったく実績がない事業主に対して最初から最低金利は適用できません。

 

何度も利用することで実績を作れば、適用金利は次第に引き下げられていきます。

 

また、不動産などを担保提供する場合は、不動産の価値や流通性などが金利にも影響します。

 

処分しやすく価値が高い不動産ほど手金利の融資を受けることができます。

 

主な融資制度の金利

それでは具体的な融資制度を解説していきましょう。

 

普通貸付

ほとんどの業種の中小企業が利用できる最も一般的な貸付が「普通貸付」です。

 

ただし金融業、投機的事業(不動産投資など)、一部の遊興娯楽業等の業種は対象外となっています。

 

融資限度額 4,800万円(運転資金・設備資金)7,200万円(特定設備資金)
返済期間 運転資金:5年〜7年以内・据置期間1年以内
設備資金:10年以内据置期間2年以内
特定設備資金:20年以内据置期間2年以内
利率 基準金利
保証人・担保 要相談

 

無担保を希望することも可能ですが下記の条件を満たす必要があります。

 

・税務申告を2期以上行なっている
・融資金額4,800万円 まで
・法人は代表者が連帯保証人、個人は原則保証人不要
・事業実績や事業内容を確認、所得税完納

 

利率は担保提供の場合、年1.16%〜2.35%、無担保は年1.81%〜2.40%。

 

無担保で初めての場合は2.4%と考えましょう。

 

担保提供の場合は担保価値によっては年2%未満のケースも考えられます。

 

新規開業資金

これから事業を始める人は「新規開業資金」を利用することを検討しましょう。

 

新規開業資金の貸付対象となるのは次のいずれかに該当する人です。

 

・現在勤務中の企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する
 (1) 現在勤務の企業での勤務年数6年以上
 (2) 現在勤務の企業と同じ業種に通算して6年以上勤務
・大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上勤務して、その職種と密接に関連した業種の事業を始める
・技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める
・雇用の創出を伴う事業を始める
・産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業を受けて事業を始める
・地域創業促進支援事業による支援を受けて事業を始める
・公庫が参加する地域の創業支援ネットワークから支援を受けて事業を始める
・民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める
・上記ののいずれかを満たして事業を始めて、事業開始後おおむね7年以内

 

上記の中ではサラリーマンから独立して同業種の事業を開業するというケースが最も多いでしょう。

 

また大学で学んだ技術を生かせる職場に就職していれば2年で独立開業することも可能です。

 

融資限度額 4,800万円(運転資金)7,200万円(設備資金)
返済期間 運転資金: 7年以内・据置期間2年以内
設備資金:20年以内据置期間2年以内
特定設備資金:20年以内据置期間2年以内
利率 基準金利
保証人・担保 要相談

 

利率は基準金利ですが、特定の条件を満たすと特別金利が適用されます。

 

特利A 中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合から出資を受ける
特利B 商店街の空き店舗において事業を行なうために必要な設備資金・運転資金
特利C 技術・ノウハウ等に新規性がみられる方の運転資金及び設備資金

 

特定金利で融資を受けるには、それぞれさらに一定条件が必要となるので、該当しそうな場合はさらに詳しく調べてみましょう。

 

環境・エネルギー対策資金

政府の方針で非化石エネルギーや省エネルギー、アスベスト対策、低公害車などの設備を導入すると低金利の貸付を受けることができます。

 

設備や車両の代替えを検討している事業者は検討する価値はあります。

 

中でも利率が「特利B」に限定されている省エネルギー関連の融資をご紹介しましょう。

 

太陽光発電などの設備を導入する場合に、優遇金利の提供を受けることができます。

 

融資限度額 7,200万円(設備資金)
返済期間 20年以内据置期間2年以内
利率 特利B(無担保:1.16%〜1.75%、有担保:0.51%〜1.70%)
保証人・担保 要相談

 

この他にもハイブリッド車や電気自動車を導入する場合も対象となる融資があるので、台替え前に検討してみましょう。

 

自己資金比率

 

日本政策金融公庫の融資制度は、基本的に自己資金の比率を1/10以上と定めています。

 

特に創業資金の借入に関しては自己資金が1/10以上あることを確認します。

 

起業するのにまったく自己資金がないというのは、かなりリスクが高くなるので開業前に自己資金は充分に準備しておきましょう。

 

ただし、日本政策金融公庫の融資すべてが自己資金を必要とするわけではないので、担当者に相談してみることも必要です。

 

金利を下げる方法

日本政策金融公庫の融資制度では条件を満たしていると最初から基準金利よりも低金利の融資を受けることができます。

 

その代表的な例をご紹介しましょう。

 

女性、若者/シニア起業家支援資金

女性は年齢を問わず、男性は30歳未満か55歳以上で新規開業、または事業開始7年以内の方が対象となる融資です。

 

融資限度額 7,200万円(内運転資金4,800万円)
返済期間 設備資金:20年以内据置期間2年以内
運転資金:7年以内据置期間2年以内
利率 特利A、特利B、土地取得資金は基準利率
保証人・担保 要相談

 

設備資金と運転資金は特利A(無担保:1.41%〜2.00%)です。

 

技術・ノウハウ等に新規性がみられる場合は特利C(0.91%〜1.50%)の低金利の適用もあります。

 

経営革新計画の承認

中小企業新事業活動促進法に基づき、中小企業等が作成した「経営革新計画」(ビジネスプラン)を都道府県などが承認すると、各種支援策を利用することができます。

 

このメリットのひとつとして日本政策金融公庫の融資を低金利で受けるなどの特典があります。

 

メリットがある主な融資制度をご紹介しましょう。

 

新創業融資制度

新創業融資制度は新規開業者が原則無担保・無保証人で各融資を利用できる制度です。

 

新規開業資金や女性、若者/シニア起業家資金も対象で、「経営革新計画」が承認されていれば自己資金なしでも利用できます。

 

新事業活動促進資金

「経営革新計画」の承認を受けると利用できる融資のひとつが新事業活動促進資金です。

 

金利は特利Cとなり、7,200万円(運転資金4,800万円)までの融資が可能です。

 

開業資金の調達方法について

 

まとめ

日本政策金融公庫の融資審査では、事業計画書の作成など面倒な手続きが必要ですが、それに見合うメリットがあります。

 

融資額や返済額から返済計画まで窓口でよく相談して、情報の収集も怠らなければ審査の通過は難しいことではありません。

 

もし不安であれば書類作成は行政書士など専門家に相談することもできます。

 

また、パソコン購入資金など少額利用から始めて信用を作り、高額な融資を利用するという方法もいいでしょう。

 

低金利・無担保で公的融資を受けるメリットを考えると、銀行ローンよりも日本政策金融公庫は最優先の資金調達先です。