法人で持てるETCカード

社用車を所有している会社や個人事業者の方も多いことと思いますが、特に高速道路を利用する機会が多い場合はその管理にも手間がかかります。

 

運送会社といった極端に保有台数が多い企業の場合は、高速道路会社の「大口・多頻度割引制度」を利用するとお得です。

 

その場合は高速道路会社が発行する「ETCコーポレートカード」を利用することになります。

 

しかし、専門業者ほど高速道路の利用頻度が高くない場合には、クレジットカード会社発行のETCカードをおすすめします。

 

ETCカードは個人利用が一般的ですが、もちろん法人や事業者でも利用することができます。

 

ETCカードは単独で発行できないため、法人カードに追加して発行します。そのため法人向けクレジットカードの入会が必須です。

 

今回はETCカードを法人で利用するときのメリットや注意点を解説しましょう。

 

 

ETCのしくみとETCカード

ETCは高速道路の料金所をノンストップで通過でき、高速道路料金の支払いを後払いできる便利なシステムです。

 

さらにETCを利用するだけで割引を受けることができ、ETCカード利用でクレジットカード会社のポイントも付与されます。

 

こうした便利な仕組みはどのように行われているのでしょうか。

 

ETCではどうやって料金の精算をするのか?

ETCはElectronic Toll Collection System(電子料金収受システム)の略称で、高速道路の料金所で止まることなく料金の支払いが完了します。

 

これを可能にしているのは、電波による料金所との通信と後払いができるクレジット機能です。

 

ETCでは「車載器」と呼ばれる通信機に、ETCカードを挿入した状態で料金所を通過すると、瞬時にETCカードに料金データが送信されます。

 

このデータによってクレジットカード会社はカード会員に高速料金を請求するのです。

 

ETCカードの作り方と車載器の入手方法

車載器はカー用品店などで購入する必要があります。価格は様々で5,000円台から30,000円台まで幅広くあります。

 

法人で社用車の台数も多い場合はシンプルで低価格の車載器で十分でしょう。車載器には「セットアップ」という作業が必要ですが、一般的には購入店でセットアップまでしてくれます。

 

ETCカードを作るためには法人カードを持っているか、新規に申し込みをして同時にETCカードも申請する必要があります。

 

ほとんどの法人カードはETCカードの追加発行が可能ですが、ETCカードと一体型の法人カードもあります。

 

法人カードの枚数を増やしたくない場合は一体型も便利です。

 

車載器とETCカードだけではETCは利用できない

車載器とETCカードを入手したら高速道路会社に登録をする必要があります。この手続きをしなければETCの利用はできません。

 

登録はインターネット、あるいは申込書の郵送によって行いますが、ネット登録が簡単で時間もかかりません。

 

1台の車載器に付きETCカード1枚の登録が原則ですが、家族カードや法人カードの場合は1台の車載器で最大4枚のETCカード登録が可能です。

 

この登録には車載器の管理番号と車両登録番号が必要です。つまり1台の登録車両に1台の車載器が紐づけられるので、車載器の使いまわしはできません。

 

社用車の台数ごとに車載器を購入して、申請車両は1台ずつ高速道路会社に登録する必要があります。

 

ETCを利用するメリット

ETC最大のメリットは高速道路の料金所をノンストップで料金精算できることです。しかしETCにはそれ以外にもメリットがあります。

 

一つはETC割引で、もう一つはETCマイレージサービスです。どちらも高速料金を節約できるサービスなので、利用頻度が高い法人利用者ほど大きなメリットになります。

 

ETC割引サービスにはどんな種類があるのか

ETCは利用するだけで高速料金が割引になりますが、割引を受けられる時間帯や曜日が決められています。どんな割引があるのかご紹介しましょう。

 

平日朝夕割引

後で解説する「ETCマイレージサービス」に登録することで割引を受けられます。

時間帯 平日 朝 6〜9時、夕 17〜20時
区間 地方部の高速道路(東京・大阪近郊は対象外)及び宮城県道路公社の仙台松島道路
対象車種 すべての車種
割引概要 1か月間の対象区間利用回数5回以上30%還元、10回以上50%還元(最大100km相当分)

 

休日割引

普通車軽自動車を対象とした割引で、土日祝日の終日が対象となります。区間は平日朝夕割引と同じで30%が割引されます。

 

深夜割引

毎日(0時〜4時)すべての車種が対象となる割引です。割引率30%。ほかの割引と同じ区間が対象ですが、京葉道路・第三京浜道路・横浜新道・横浜横須賀道路は割引の対象外です。

 

法人にメリットがある割引としては平日朝夕割引が最もメリットがあるでしょう。利用回数が10回以上になると50%が還元されるので経費節減に役立ちます。

 

ETCマイレージサービスのしくみ

ETCマイレージサービスに登録すると、航空機利用でもマイレージサービスと同じようにポイントが付与されます。

 

ポイントの対象は移動距離ではなく通行料金利用額という違いはありますが、ポイントは無料通行分として還元することができます。

 

もちろん登録無料で年会費もかかりません。法人で利用することでポイントも貯まりやすくなるので大きな経費節約に結び付きます。

 

ポイントの付き方

高速道路会社によって違うケースがありますが、通常は10円または100円に付き1ポイントが付与されます。100円で1ポイントの場合は月額利用金額に応じて加算ポイントが加わります。

 

ポイントの還元方法

これも高速道路事業者によって違いますが、基本的には一定のポイント数を無料通行分に還元するという点では同じです。

 

最も利用者が多いNEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社のケースでは、10円で1ポイント貯まり、1,000ポイントで500円分の通行料金に還元できます。

 

つまり1万円の利用で500円の還元額になるので還元率は5%になります。

 

交換単位は3,000ポイント⇒2,500円、5,000ポイント⇒5,000円となっていて、利用金額が大きいほど還元率も高くなり、最大10%の高還元率となります。

 

法人や個人事業主にとってのETCカードのメリットと注意点

ETCは割引制度やマイレージサービスといった経費の節約に直結するメリットがあり、高速道路の利用頻度が大きい会社ほど経費の節約になります。

 

ETCを利用することで時間の節約にもつながるので、ETCの利用は企業にとっては必須です。しかしETCを利用するためのETCカードには利用上の注意点もあるので参考にしてください。

 

ETCカードのメリット

ETCそのものには割引といった実質的なメリットがありますが、ETCカードにもメリットがあります。

 

ETCカードは車両1台に付き最大4枚発行されますが、1台1枚で管理すると、利用明細書にはETCカード個別に記載されます。

 

法人カードの追加カードとして発行されているので、実際は法人カードの請求書に記載されます。

 

それでもETCカード別に利用明細がわかるので、車両単位での経費管理が容易になります。

 

もちろんETCカードの利用は1回払いなのでカード手数料もかかりません。

 

ETCカードの年会費は法人カードによって有料の場合と無料の場合があります。

 

年会費無料でも発行手数料がかかるというケースもあるので、法人カード申し込み前にチェックしておきましょう。

 

ETCカード利用の注意点

ETCカードは高速道路専用のクレジットカードです。そのため万一盗まれて悪用されても被害金額はそれほど高額にはなりません。

 

またカード盗難保険も適用されるので実質的な被害はないことになります。

 

しかし、法人カード一体型のETCカードの場合、クレジットカードとして高額利用も可能なのでその管理には注意しましょう。

 

ETCカードはつい車載器に入れっぱなしにすることが多くなります。

 

特に社用車では社員が疲れて帰ってきたり、毎日利用することで慣れてしまったりといったことでETCカードを入れっぱなしにしてしまいます。

 

ETCカードもクレジットカードであることに変わりはないので、毎日社内で保管するといった管理体制が必要です。

 

社用車に鍵をかけ忘れて盗まれた場合には、カード盗難保険が適用されない可能性もあるので十分注意しましょう。

 

まとめ

ETCシステムは現在の日本高速道路のシステムでは最も利用者にとってメリットがあるサービスです。

 

一時期高速料金無料化という話がありましたが、今後もその可能性はほとんどないようです。

 

特に法人カードを利用している、またはこれから利用したいと考えている企業は中小企業、個人企業であっても、営業車を保有している場合にはETCカードの追加発行は必須でしょう。

 

車載器購入に経費がかかりますが、ETC割引やETCマイレージサービスでの還元率を考えると、すぐに経費の元は取れるでしょう。

 

ETCマイレージの最大還元率は10%です。5,000円の車載器であれば5万円の高速料金利用ですぐに還元されます。

 

これほどの還元率を利用しないというのはむしろ損をしていることになります。まだ、ETC利用していない企業はすぐに検討しましょう。

 

ETCカード発行も対応の法人カードのメリット