ベンチャーキャピタルからの資金調達メリット・デメリットとは?

中小企業経営者や起業家にとっては資金調達をどのようにするかというのは重要な課題となります。

 

一般的な資金調達方法としては銀行などの金融機関からの融資がありますが、銀行は実績のない企業に対する審査は厳しくなります。

 

そのため特にベンチャー企業と呼ばれる企業は、ベンチャーキャピタルからの資金調達も考えてみましょう。

 

今回はベンターキャピタルからの資金調達のメリットとデメリットについて解説します。

 

 

ベンチャーキャピタルとは?

ベンチャーキャピタルという言葉を聞いたことはあっても、具体的な内容を知らない人も多いでしょう。
まずはベンチャーキャピタルの基本から解説しましょう。

 

ベンチャーキャピタルの投資のポイント

ベンチャーキャピタルは投資家集団の企業で、ベンチャー企業投資契約書を交わし、投資によって利益を得ることを目的とした企業です。

 

具体的にはベンチャーキャピタルはベンチャー企業の株式を購入することで投資をして、将来投資した企業が株式公開や上場したときに、株式を売却してその差額を利益とします。

 

こうしで利益を得る方法を「キャピタルゲイン」と呼んでいます。

 

ベンチャーキャピタルが投資をするポイントは次のとおりです。

 

1.株式公開や株式上場を目指す企業に投資を行う
2.投資先企業と契約をして資金の使途を限定し、その使途に沿って使われる
3.投資事業有限責任組合(ファンド)からの投資が基本となる

 

ファンドは機関投資家や富裕層等の出資者から集めた資金を運用する投資のプロのことです。

 

それでは次にベンチャーキャピタルの投資の対象となるベンチャー企業とは、具体的にどのような企業なのかを解説しましょう。

 

ベンチャー企業とは?

ベンチャーキャピタルの対象となるベンチャー企業はその規模から定義すると、ほとんどが中小企業となります。

 

また、スタートアップ企業という言葉もあり、区別がつかない人も多いかもしれないので、この3つの違いを明確にしてみましょう。

 

中小企業庁では中小企業者は業種別に以下のように定義づけされています。

 

製造業その他

資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

卸売業

資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

小売業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人

サービス業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

※参照元:中小企業・小規模企業者の定義(中小企業庁)

 

ベンチャー企業は中小企業の中でも、「新技術や高度な知識を軸に、大企業では実施しにくい創造的・革新的な経営を展開する中小企業」と定義づけられます。

 

スタートアップ企業はベンチャー企業の中でも既存のビジネスモデルにはない、新しい商品やサービスで市場を開拓する企業ということができます。

 

新技術や新しいビジネスモデルを持たずに、既存のビジネスモデルに従って起業する場合は、単なる中小企業という位置づけになります。

 

ベンチャーキャピタルの投資の流れ

ベンチャーキャピタルは以下の流れで投資を行っています。

 

1.ファンド(投資事業有限責任組合)の組成
2.出資金を募る
3.ベンチャー企業の審査
4.ベンチャー企業への投資実行
5.ベンチャー企業への育成支援・情報提供
6.EXIT(上場後のファンド保有株式の売却)
7.資金回収と分配

 

ベンチャーキャピタルはファンドを運営する責任者として、利益を最大限にする責任をおっています。

 

そのためベンチャー企業を審査する場合は、その将来性が最も重要で株主として株式公開や株式の上場が可能になるように、経営に対しても主導権を握っています。

 

会社の成長ステージによってベンチャーキャピタルを選択

ベンチャーキャピタルは投資対象のベンチャー企業の会社ステージや業種によって得意・不得意があります。

 

自社に合ったベンチャーキャピタルを選ぶことで、成功する確率が高くなります。

 

シードラウンド

会社としてのコンセプトができてプロトタイプ(試作品)を開発している段階の会社がシードラウンド。

大手ベンチャーキャピタルはこの段階の資金提供を行なっていないことが多いので、シーラウンドに特化したベンチャーキャピタルを利用する。

シリーズA
(アーリーステージ)

プロトタイプが完成し商品やサービスの提供を開始している段階。

ほとんどのベンチャーキャピタルがこの段階で資金提供を行なっている。

シリーズB
(成長ステージ)

商品やサービス提供が軌道に乗っている段階で、整腸のための資金が必要となる。

シリーズC
(レイターステージ)

上場や株式公開をするための資金が必要となる時期で、EXITに向けた最終段階。

 

それでは次にベンチャーキャピタルによる資金調達のメリットやデメリットについて解説しましょう。

 

ベンチャーキャピタルのメリット

銀行融資などと比べてベンチャーキャピタルにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

 

資金調達が容易になる

ベンチャーキャピタル(VC)から資金提供を受けることは簡単ではなく、厳しい審査を通過する必要があります。

 

そのため逆に一度ベンチャーキャピタルから資金を受けたというだけで、周囲からの評価も高くなり追加の出資を受けやすくなります。

 

ベンチャーキャピタルが評価機関として役割を果たしているとも言えます。

 

また、ベンチャーキャピタルが目指すのは株式公開や株式の上場なので、VCによる投資が成功すれば株式による資金調達がより簡単になります。

 

取引先の紹介や経営支援がある

ベンチャーキャピタルは複数の企業に資金援助をしているため、関連する業種の企業の紹介を受けることもできます。

 

紹介を受けた企業にとってもメリットがあるので、相乗効果で両方の企業の発展に繋がる可能性もあります。

 

結果としてベンチャーキャピタルにとっても大きなメリットになります。

 

ベンチャー企業のほとんどは若い年齢層の経営であることが多いので、経営に関しては知識不足だったり経験不足だったりというケースが大半です。

 

しかしベンチャーキャピタルから出資を受けると、役員が出向して経営のアドバイスを受けることができます。

 

若い経営者にとっては大きなメリットになり、経営の軌道修正も容易になります。

 

ベンチャーキャピタルのデメリット

ベンチャーキャピタルにはメリットもありますが、それだけではなくデメリットもあるので、それもよく理解してから利用しましょう。

 

VCに意向に沿った経営

ベンチャーキャピタルからの出向役員は経営の支援も行いますが、その意思決定はベンチャーキャピタルの意向に沿ったものとなります。

 

基本的に経営権はベンチャーキャピタルにあるので、自社の方向性と違っている場合でも、その意向に逆らうということはできません。

 

ベンチャーキャピタルが目指しているのは早期に資金を回収するということなので、早く結果を出すことが求められます。

 

ベンチャー企業のやりたいこととVCの方針が大きく異なる場合にはデメリットとなります。

 

資金回収が早い・費用がかかる

また、出資後も将来性に不安が出てきたり、経営がうまくいかなくなったりした場合は、早期に資金を回収されてしまいます。

 

経営がうまくいっているときはメリットがありますが、少しでも成長性に不安があればすぐに引き上げるのがベンチャーキャピタルです。

 

こうした合理的でドライな関係であることをよく理解しておきましょう。

 

ベンチャー企業の廃業率が低くないというのは、この点の理解不足が原因となっていることもあります。

 

また経営が順調な場合でも上場することが目的のため、上場の準備や上場維持のために費用が必要になります。

 

VCから資金を調達したために、かえって費用がかかるという側面もあるので、ある程度の自己資本がなければVCによる上場は難しくなります。

 

ベンチャーキャピタル以外の資金調達方法

VC投資はベンチャー企業が対象ですが、ベンチャー企業が利用できる資金調達方法はいろいろあります。

 

事業規模など自社の状況に合わせた資金調達方法を選びましょう。

 

また、複数の調達方法を確保しておくことで資金調達がスムーズになります。

 

クラウドファンディング

インターネットでプロジェクトを公開し不特定多数の支援者を募って資金を調達する方法。

出資に対する見返りは金銭ではなくリターンと呼ばれる商品やサービスの提供となる。
プロジェクトが失敗して資金調達できなくても、経済的なマイナスはない。

エンジェル投資家

VCのようにファンドを設立するのではなく有力な個人投資家から資金を調達する方法。

VCよりも経営の自由がある。

日本政策金融公庫

創業資金や設備資金を低金利で借り入れすることができる。

補助金・助成金

国や地方自治体の補助金制度や助成金を利用すると返済が必要ないので大きなメリットになる。

 

まとめ

ベンチャーキャピタルによって資金が調達できるのは、ベンチャー企業と呼ばれている革新的な技術やアイディアを持つ企業です。

 

しかも実現可能性が高くなければ出資を受けることはできません。

 

一般的な中小企業はほとんどVCの対象とならないので、他の資金調達方法を考えましょう。

 

しかし、今までにない商品やサービスを提供する企業を起ち上げて、成功に結びつけたいと考えるのであれば、ベンチャーキャピタルの利用もひとつの選択肢です。

 

ただし、ベンチャーキャピタルのメリットやデメリットをよく理解した上で利用しましょう。