融資を受ける時の金利相場と適用金利の決まり方

融資を受ける場合はその貸付金利によって利息の負担が変わってくるため、なるべく低金利で借入するのが原則です。

それでは金融機関は貸付金利をどのように決定しているのでしょうか?

今回はノンバンクから民間金融機関まで貸付金利の相場や金利の決定方法を解説しましょう。

ノンバンクと銀行の違い

消費者金融会社や信販会社、クレジットカード会社、リース会社はノンバンクや貸金業者と呼ばれる金融会社で、貸金業法によって規制されています。

一方で銀行は銀行法で規制される民間金融機関ですが、不特定多数から預金としてお金を預かるため簡単に倒産できないという公的な役割も持っています。

まずはこの2つの金融会社の資金調達方法の違いから解説しましょう。

融資と貸付金利の仕組み

融資会社は資金を調達して顧客のお金を貸し付けるという仕組みで融資を行っています。

そのため貸付金利には資金調達コストが必ず含まれています。

さらに回収コストや利益が上乗せされて貸付金利が決定しますが、調達コストはノンバンクと銀行では大きな違いがあります。

ノンバンクは銀行から借入して資金を調達するという方法がメインですが、銀行は預金者から資金を調達します。

つまり銀行の調達コストは預金金利ですが、ノンバンクは融資で回収する利息ということになり、銀行は圧倒的に低い調達コストになります。

ノンバンクがメガバンクの長期プラムレートで借入できたとしても、年1%前後の調達コストがかかりますが、銀行の預金金利は定期預金でも年0.01%です。

調達コストだけで100倍の違いがあります。

そのため銀行融資はて金利で顧客に貸付ができますが、ノンバンクは高金利で貸付せざるを得ないのです。

貸付金利を決定する最も基本的な部分で、ノンバンクと銀行では大きな差があるのです。

出資法の貸付金利の上限

ノンバンクの貸付金利は利息制限法と出資法で上限が定められていますが、現在の上限はどちらも同じ年20%です。

しかし、法律改正前は出資法の上限金利が利息制限法を上回っていました。

その理由は貸金業者が貸付対象としている消費者は銀行で借入できなかった人が多く、未払いになる可能性が高いので回収コストがかかるからです。

さらに資金調達コストも銀行と比べて高いため、必然的に高金利でないと利益が出ないという仕組みになっていたからです。

現在は利息制限法と同じレベルまで引き下げられているので、審査基準は以前に比べて高くなっています。

ノンバンクの貸付金利の相場は年18%ですが、これは10万円以上の金額を貸付した場合の上限金利です。

つまり上限いっぱいの貸付金利でなければ利益が出ない状態なので、ノンバンクの金利相場は年18%を基本として、利用実績や年収に応じて決定するやり方となっています。

銀行の消費者向け融資

銀行の融資商品のメインは事業者向けの融資ですが、消費者向けローンも数多く取り扱っています。

しかし、無担保、保証人なしとなる消費者向けのローンは回収リスクが高いため、銀行のプロパー融資では取り扱いできません。

プロパー融資は銀行だけで貸付をするので、未払いになったときのリスクや損失はすべて銀行に跳ね返ります。

そのため銀行の消費者向けローンは、ほとんどが保証会社付きのローンとなっています。

同じ銀行グループのノンバンクが保証会社となって、3ヶ月以上の延滞は保証会社が代位弁済(立替払い)するので、銀行にリスクはありません。

そのため銀行は回収リスクを考えなくてもいい上に、保証料込みの金利なので保証料も顧客負担となり、銀行にとっては利益率が高い融資商品です。

銀行カードローンの金利相場は最高金利で年14%程度ですが、消費者金融系カードローンと比べると年4%低くなっています。

調達コストの低さや回収コストがかからないことを考えると、年18%の消費者金融系カードローンよりも年14%でも銀行カードローンの利益率が高いことが推測できます。

近年銀行がカードローンに力を入れて残高を伸ばしている理由も、この利益率の高さによるものと考えていいでしょう。

住宅ローンの金利相場

同じ消費者向けのローンでも住宅ローンはカードローンのようなフリーローンとはかなり違う金利相場となります。

カードローンはいわゆる固定金利ですが、住宅ローンは固定金利の他に変動金利や一定期間固定金利で支払い、特約期間終了後に変動と固定を選択できる方法も選べます。

住宅ローンは借入期間が長期となるので、金融情勢による金利変動の影響が大きいことや、担保ローンで回収リスクがほとんどないという点で金利面でもカードローンとの違いがあります。

固定金利と変動金利の違いは次のとおりです。

固定金利

契約時の金利がそのまま完済まで変動することなく適用される。
変動金利と比べて高い金利となり、金利の基準は長期金利(10年もの国債金利)の影響を受ける。

変動金利

固定金利よりも低金利だが年2回金利の見直しが行われる。
毎月の返済金額は変わらないが、金利と元金の内訳が変わるので返済期間が一定とならない。
金利の基準は短期プライムレート。

10年(5年)固定型ローン

固定金利と変動金利のメリットを兼ね備えた金利。
金利相場がそれほど高くない場合に利用すれば、5年後、10年後の金利相場に応じで固定か変動を選択できる。

住宅ローンに関しては長期ローンにもかかわらず利用者の回収リスクはほとんど金利には影響しません。

顧客によって金利が大きく違うということはほとんどなく、だれが利用してもほぼ同じ金利が適用されるという特徴があります。

そのため、どの金利を選択するかで返済総額に大きな影響があります。

住宅ローンを利用する場合は金融機関の担当者に相談して、どの金利にするのかを決めましょう。

事業者向け融資の金利

事業者向けローンはカードローンや住宅ローンとは違い、貸付の対象によって適用金利が大きく変わることがあります。

消費者金融のビジネスローンについては上限が決められているため、それほど大きな違いはありませんが、銀行プロパー融資の場合は取引先で大きな金利差があります。

ビジネスローンの金利相場

ノンバンクに関してはビジネスローンも消費者向けカードローンも上限金利は18%が相場で、利用枠と連動して適用金利が下がるという仕組みがほとんどです。

例えば最大利用枠500万円で年6%~18%のビジネスローンであれば、年6%の最低金利が適用されるのは利用枠が500万円の場合だけです。

利用枠50万円であれば年6%が適用されることはなく、ほとんどが年18%の適用となります。

しかし、最初に適用された金利がそのまま続くのではなく、利用実績を積み重ねると利用枠も大きくなって、それにともなって金利も引き下げられる仕組みです。

ノンバンクの金利は当初は最大金利を適用して、実績によって引き下げられるという仕組みです。

銀行プロパー融資は格付けシステム

銀行が直接融資するプロパー融資は、金融庁の方針で貸付先の過去の実績によって格付けを設定して融資の可否や金利を決定します。

格付けは10段階で評価され格付けが上位1~6であれば正常先として、融資を受けることが可能となります。

さらに上位の格付けであるほど低金利で高額の融資を受けることができます。

正常先として評価されなければ融資を受けることもできないので、銀行融資を低金利で利用するには格付けをアップすることが必要です。

格付けをアップするには決算書の内容が良くなければいけません。

格付け評価のほぼ80%は決算書の内容で決まると言っても過言ではありません。

黒字決算で累積赤字がなければ正常先として評価されますが、その中で格付けをアップするのは簡単ではありません。

常に銀行取引を継続して長い付き合いをすることで信用を積み重ねることが重要です。

ノンバンクのローンも実績の積み重ねが重要ですが、銀行の事業融資に関してはもっとシビアに評価されると考えましょう。

信用保証協会付き融資

中小企業経営者は銀行プロパー融資を低金利で借りるのは難しいので、信用保証協会付きの融資を利用して実績を作りましょう。

信用保証協会は中小企業が銀行借入しやすいように融資保証を行うために設立された公的機関です。

信用保証協会付きの融資では銀行の責任が20%に縮小されるため、融資審査を通過しやすくなります。

信用保証料がかかるのでプロパー融資に比べると負担が大きくなる傾向がありますが、銀行にとってはリスクが20%なので適用金利はそれほど高くありません。

金利以外に保証料がかかるのでトータルとしては高金利というイメージとなりますが、本来であれば借入ができないかもしれないということを考えると保証料を支払ってもメリットがあるでしょう。

日本政策金融公庫の金利は別格

ノンバンクや銀行融資の金利と比較しても日本政策金融公庫の金利は別格の低金利となっています。

これは政府系金融機関として消費者や中小企業者を支援する目的がある融資制度だからです。

日本政策金融公庫は固定金利でさらに低金利となっているので、個人利用でも教育ローンなどは最初に申し込みすべき金融機関です。

創業者や起業家にとっても低い適用利率で創業資金の借入ができるので、創業時のコストを節減できるメリットがあります。

また地方自治体の制度融資などでは利子補給といった制度もあるので、公的な融資を利用することで、民間金融機関の金利相場よりも低い利率での借入も可能です。

こうした公的資金を利用するメリットは、民間金融機関のように金利相場で大きく変動しないという点にあります。

まとめ

融資にはカードローン、マイカーローン、つなぎローン、住宅ローン、ビジネスローンなどさまざまな種類がありますが、金利設定の基本はどれも同じです。

(調達コスト+回収コスト+利益)が適用金利の基本となります。

利益と調達コストに関しては借りる側には調整ができませんが、回収コストを下げることは可能です。

回収コストは未払いになる可能性が高いほど高くなるので、金利も高くなります。

具体的には返済能力があることを利用実績で示すことが、その後の適用金利を下げることにつながるということです。

融資は審査を通ることだけが目的ではなく、信用力を付けることで次の融資の金利を下げることも目的のひとつです。

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