法人向けゴールドカードを持つメリット・デメリット
法人カードは経費を決済するためのクレジットカードです。
経費をクレジットカード決済に切り替えることで支払日が統一され、経費管理がしやすくなる点やポイントサービスや優待サービスによって経費節減ができるメリットがあります。
一方で法人カードにはゴールドカードやプラチナカードといったグレードの高いカードがありますが、経費に関するメリットは一般カードでも充分のような気がします。
果たして法人ゴールドカードにはメリットがあるのでしょうか?
今回は法人ゴールドカードのメリット・デメリットを解説しましょう。
法人カードのメリット
ゴールドカードのメリット・デメリットを解説する前に、まず法人カードのメリットをおさらいしてみましょう。
支払日が統一されることで経費精算が簡便になる
現金で会社経費を精算する場合は支払い先が多いほど支払日も多くなります。
大規模な企業になるほど経費精算は毎日のように行われているので、経理担当社の業務負担も大きくなります。
これを法人カードに切り替えるだけで支払日が統一することができ、業務負担はかなり軽減されるでしょう。
クレジットカードの利用明細は支払日前にわかるので経費管理を効率化できます。
現金に比べて経費精算の手間が少ない
社用車のガソリン代などは特定のガソリンスタンドに決めておけば経費の精算はそれほど複雑になりませんが、遠出をしたときにガス欠になって普段利用していないサービスステーションを利用するということはよくあります。
その場合は社員が現金で立て替え払いすることになり後で経費の精算をすることになります。
法人カードを持っていればどこのガソリンスタンドも使えるので、イレギュラーの支払にも対応することができます。
ポイントや優待サービスで経費節減
法人カードにもポイントサービスがあるのでポイントを貯めて商品交換やキャッシュバックを受けると直接経費削減できます。
また貯まったポイントをマイルに交換すれば無料航空チケットに交換できるので交通費の節約になります。
さらに、法人カードの優待サービスを利用すると、宿泊施設やレストランの割引もあるので出張費を軽減することも可能です。
キャッシュフローの改善にも役立つ
キャッシュフローは事業の現金の流れを意味し、現金収入から現金支出を差し引いて手元に残る現金が多いほどキャッシュフローは安定します。
法人カードでは支払を最長2ヶ月近くも先延ばしにできるので、キャッシュフローが安定します。
会社経営にとって入金はなるべく早く、支払はなるべく遅くすることで経営が安定するので法人カード利用は最終的に経営の安定に寄与することになります。
法人ゴールドカードのメリット・デメリット
法人カードのメリットを4つご紹介しましたがゴールドカードでしか得ることができないメリットはほとんどありません。
それでは法人カードにゴールドカードは不要なのでしょうか?
ゴールドカードが法人にとってもメリットがあるということを解説しましょう。
法人ゴールドカードのステータスは法人の信用力を高める
みなさんは個人でゴールドカードを使っている人にはどんなイメージを持つでしょうか?
中にはマイナスイメージを持つ人もいるかもしれませんが、ほとんどの人は社会的地位が高い、経済的に余裕があるといったプラスのイメージを持つでしょう。
法人カードでもゴールドカードにはステータスを感じるので、会社のイメージを良くします。
ゴールドカードは審査が難しい、年会費が高い、カード利用枠が大きいといったイメージがあり、ゴールドカードを使っている人や法人にもステータスを感じるのです。
ただイメージが良いだけではなく法人ゴールドカードを使う相手は取引先なので、経済的余裕を感じさせることで信用力も高まります。
ゴールドカードでも信用力は高まることが期待できますが、さらに上位のプラチナカードやアメリカン・エキスプレスといったブランドでさらに効果が高くなるでしょう。
こうしたステータスを感じさせることができるメリットは、大規模企業よりも中小企業や個人事業主ほど大きくなります。
大企業はゴールドカードを利用しなくても信用力もステータスも持っていますが、個人事業主がゴールドカードやプラチナカードを使っていれば信用力をアップさせる効果はより大きいのです。
法人ゴールドカードは付帯サービスの質が高いことがメリット
個人向けカードでもゴールドカードは質の高いサービスが提供されています。
法人カードではどれくらい違いがあるでしょうか?JCBカードで法人ゴールドカードと法人一般カードの違いを比較してみましょう。
ゴールドカード | 一般カード | |
---|---|---|
年会費 | 10,000円(税別) | 1,250円(税別) |
年会費 (使用者追加1名様ごとに) |
3,000円(税別) | 1,250円(税別) |
カードご利用可能枠 (総枠) |
50万~250万円 | 30万~100万円 |
旅行傷害保険 (死亡・後遺障害の場合) |
海外最高1億円 (内5000万円は利用付帯) |
海外最高3,000万円 |
国内最高5,000万円 | 国内最高3,000万円 | |
国内・海外航空機遅延保険 | 乗継遅延費用保険金 (客室料・食事代)2万円限度 |
なし |
出航遅延費用等保険金(食事代)2万円限度 | ||
寄託手荷物遅延費用保険金(衣類購入費等)2万円限度 | ||
寄託手荷物紛失費用保険金(衣類購入費等)4万円限度 | ||
ショッピングガード保険 | 国内外最高500万円 | 海外最高100万円 |
WEB明細の「MyJチェック」に登録するとJCBオリジナルシリーズとなり、一般カードでも海外旅行傷害保険が付きます。
ポイントサービスは共通のOki Dokiポイントなので省略していますが、上記は基本的なサービスの違いです。
ゴールドカードでは上記以外に、空港ラウンジサービス、手荷物無料宅配券(片道)サービス、国内宿泊オンラインサービス、海外ホテルオンライン予約、ドクターダイレクト24(国内)、人間ドックサービス、ゴルフエントリーサービスといった一般カードにはないサービスを豊富に提供しています。
このサービスの違いをみると年会費以上の違いがあることがよくわかります。
法人ゴールドカードのデメリット
一般的にゴールドカードのデメリットは年会費が高いことと言われていますが、法人にとってはそれほど気になる金額の違いではありません。
JCBカードで比較してみると追加カードを10枚作った場合、ゴールドカード年会費は40,000円、一般カードは12,500円で差額は27,500円です。
年間でこの金額であれば、経費として計上できることを考えてもそれほど経営に影響があるとは考えられません。
もう一つデメリットがあるとすればサービスの質が高くなっていますが、そのサービスを活用できなければあまり意味がないことになります。
しかし、海外利用がない法人でも国内旅行で使えるサービスも多いので、すべてのサービスを使いこなす必要はありません。
トータルで考えるとやはり法人ゴールドカードはデメリットよりもメリットが多いといえるでしょう。
おすすめの法人カード
最後にステータス、サービスの面でおすすめの法人ゴールドカード、プラチナカードを簡単にご紹介しましょう。
■アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
名前はゴールドカードですが、年会費税別26,000円やサービス内容を考えると他社のプラチナカードに匹敵します。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードの最大のメリットはそのサービスの質の高さではなく、ステータスにあります。
アメリカン・エキスプレスはカードブランドとして、ダイナースクラブと並ぶ高級ブランドとして知られています。
しかもプロパーカードのアメリカン・エキスプレス・カードは提携カードとは意味が違います。
このカードを経費決済に使えば取引先に一目置かれることは間違いないでしょう。
■セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス
クレディセゾンの発行するセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスはアメリカン・エキスプレスとの提携カードで、プラチナカードでありながら年会費は税別20,000円とお手ごろです。
しかも年間カード利用金額100万円以上で次年度の年会費は半額になるので、経費負担にはなりません。
提携カードとはいえ「プラチナカード」と「アメリカン・エキスプレス」の組み合わせは、ステータスを感じさせるには十分な効果があります。
加えてセゾンカードの「永久不滅ポイント」が貯まるのでポイントを長期に貯めることができます。
ポイント還元率は0.5%と標準的ですが、ポイント有効期限がないのは大きなメリットです。
実用性とステータスを兼ね備えたセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスはおすすめの法人カードです。
まとめ
法人カードのメリット・デメリットはお分かりいただけたでしょうか?
法人ゴールドカードはそのステータスとサービスの豊富さでビジネスシーンには欠かせないクレジットカードです。
経費管理や経費削減に役立つばかりでなく会社の信用力を上げる効果も期待できます。
まだ法人カードを利用していない場合はもちろんすでに一般カードを利用しているという法人や個人事業主もこれをきっかけにゴールドカードに切り替えてみてはいかがでしょうか。