クラウドファンディングで失敗したときの対処法とは

クラウドファンディングは不特定多数の個人から資金を集めることができる資金調達方法です。

 

インターネットを利用して日本国内はもちろん、海外を対象とした資金調達も可能です。

 

クラウドファンディングは中小企業経営者や個人事業主でも簡単にできますが、失敗したときのリスクはあるのでしょうか?

 

今回はクラウドファンディングでの失敗例や対処方法について解説しましょう。

 

 

クラウドファンディングの流れ

まずはクラウドファンディングで資金を調達する流れについておさらいしておきましょう。

 

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングに次の種類があります。

1.購入型
2.寄付型
3.ファンド型
4.貸付型
5.株式型

3から5は「投資型プロジェクト」、1と2は「非投資型プロジェクト」と呼ばれます。

 

上記の中で最も中小企業や個人事業主が利用しやすいのは、購入型クラウドファンディングです。

 

購入型では出資(支援)の見返り(リターン)として、お金ではなく商品やサービスの提供を行ないます。

 

出資金は返済の必要がないため中小企業者にとっては負担が少なく、支援人数を集めるほど高額な資金調達も可能です。

 

特に購入型は商品開発資金の調達に向いています。

 

クラウドファンディングのプラットフォーム

具体的に購入型クラウドファンディングを行なうためには、クラウドファンディング業者が提供するネット上のプラットフォームを利用します。

 

プラットフォームにプロジェクトを起ち上げて、目標金額を設定して支援者を募るという流れです。

 

支援者一人あたりの支援金額はそれほど大きくありませんが、多くの支援者を集めることで高額な資金調達もできます。

 

このプラットフォームにはそれぞれ特徴があるので、最初にプラットフォーム選びを慎重に行なうことも成功のカギとなります。
達成率の高いプラットフォームを選びましょう。

 

All or NothingとAll In

購入型クラウドファンディングには2種類のタイプあります。

 

All or Nothing

このタイプは目標金額に達しない場合、プロジェクトは失敗となりプロジェクト起案者は支援金を手にすることができません。

 

その代わりクラウドファンディング業者には手数料を支払う必要もなくなります。

 

All In

このタイプは目標金額に達していなくても、プロジェクト起案者には集まった支援金が支払われます。

 

その代わり目標金額が未達成でも手数料はかかります。

 

All or Nothingを利用すると、支援者はプロジェクト失敗の場合は支援金が戻ってくるのでリスクがありません。

 

支援者はリスクがないのでAll or Nothingのプロジェクトは、支援金が集まりやすい傾向があります。

 

All In方式はプロジェクト起案者にとって手数料はかかりますが、目標に達しなくても資金を手にすることができるメリットがあります。

 

しかし、支援者はプロジェクトが失敗して資金が戻らないリスクがあります。

 

手数料はプラットフォームによって違う

クラウドファンディングでは手数料がかかりますが、プラットフォームを利用する手数料と、クレジット決済の手数料の2種類があります。

 

この手数料は一般的には決済手数料5%を含む20%というのが相場となります。

 

しかし、中には決済手数料のみでプラットフォームの手数料はゼロというケースもあり、プラットフォームによって違いもあります。

 

手数料が安いというだけでプラットフォームを選ぶのではなく、実績のあるプラットフォームを選びましょう。

 

手数料が20%でも支援総額に対しての手数料なので、持ち出しがあるわけではありません。

 

特にAll or Nothing方式では、成功した場合だけ手数料がかかる仕組みなので、失敗を恐れる必要はありません。

 

クラウドファンディングの失敗例

それではクラウドファンディングの具体的な失敗例と、その原因や対処法について解説しましょう。

 

目標金額達成がプロジェクト成功ではない

目標金額に達しない場合はAll or Nothing方式ではプロジェクトそのものができないので明らかに失敗です。

 

しかし、目標金額を達成した場合やAll In方式の場合でも、最終的にプロジェクト自体が完了しなければ失敗となります。

 

支援者にとって目標金額に達しても、リターンを受け取るまでは成功とはいえないのです。

 

All In方式で目標金額未達成の場合

集まった資金が少ないほどプロジェクトの成功率が低くなります。

 

All In方式を選択した場合プロジェクト起案者は、最悪の場合を想定してほかの資金調達方法を準備しておくことが必要です。

 

All or Nothingの場合

目標とした資金を調達できたのに、プロジェクトが失敗するのは根本的な問題があります。

 

プロジェクトの企画段階で必要な資金の見積もりが甘かったり、企画そのものに実現性が低かったりといったことが考えられます。

 

これを防止するには充分に時間をかけて企画を練ることが必要です。

 

具体的な失敗事例

キックスターター(Kickstarter)やインディーゴーゴー(Indiegogo)はアメリカのプラットフォームで、多くの実績があります。
そのため失敗の実例も多いのでご紹介しましょう。

 

製品不具合

キックスターターで3億円以上資金を集めたプロジェクトで、レトロ風デジカメがまともに動作せずに失敗した例があります。
商品はリターンとして届けられていますが、そもそも写真を撮ることができないという致命的な欠陥がありました。

 

また、手のひらに乗るドローンのプロジェクトは4億円集めましたが、動作はデモ動画には程遠く、商品は一部発送されましたが最終的に頓挫しています。

 

プロジェクト実行会社の破産

スマホバッテリー、USB/Lightningメモリー、リモコンの3つの機能を備えた製品開発のプロジェクトがありました。

 

インディーゴーゴーのプロジェクトで1億円以上の資金が集まりましたが、製品は未完成で資金が底をついて会社は倒産しています。

 

プロジェクト責任者の音信不通

ゲームファン向けのゲームプロジェクトでも失敗例があります。
7,400万円の資金を集めたRPGゲームのプロジェクトは、無期限延期となりその後は音信不通となっています。

 

詐欺プロジェクト

キックスターターのカードゲームプロジェクトは2012年に詐欺として返金や制裁金を科せられました。
そもそもプロジェクトを実行する意思がなく、引越費用などに使い込まれていたからです。

 

失敗を未然に防ぐ、対処する方法

クラウドファンディングの失敗によるトラブルを防止するにはどうしたら良いでしょうか?
プロジェクト実行者と支援者、両方の立場から解説しましょう。

 

適切な調達金額設定

プロジェクトが確実に実行できる資金調達金額の設定をすることは、プロジェクト起案者にとっては必須条件です。

 

目標金額を達成してもプロジェクトが実行できないのは、資金の見積もりが甘かったということになります。

 

プロジェクト実行者は必要な資金をどのように使い、プロジェクト実行に必要な資金の内訳を明確にする必要があります。
そのため設定金額にはある程度時間をかけましょう。

 

また支援者もプロジェクトを判断する方法として、必要な資金が納得できる金額なのかを見極めましょう。

 

プロジェクトの理由・目的を明確にする

プロジェクトそのものの目的が不明瞭であれば、資金も集まらず失敗する可能性が高くなります。

 

商品の製造やサービスの提供などは、従来の商品やサービスにないアイデアなどを明確にアピールしましょう。

 

すでに存在する商品とあまり違いがなければ、支援者も集まらずプロジェクトは成功しません。

 

そのためにはプロジェクトページに記載する文章は、公開前にプロモーションも充分に考慮しましょう。

 

クラウドファンディング失敗の返金

支援者側の不安としてはプロジェクトが失敗したときに全額返金になるかどうかという点があります。

 

All or Nothing方式では、プロジェクトの失敗は目標金額に達しない場合なので、発案者は資金調達に失敗しています。
そのため支援者に全額返金されるので問題はありません。

 

しかしAll In方式では目標金額に達しない場合でも、発案者に資金が振り込まれます。
発案者に資金が振り込まれた時点で、All or NothingやAll Inにかかわらず、支援金が戻らない可能性があります。

 

クラウドファンディングは手軽に出資できますが、リスクがあるという点を理解して利用しないといけないのです。
製品や商品開発には時間がかかることもあり、1年後にリターンを受け取ったというケースもあるので、時間をかけて成功・失敗化を判断しましょう。

 

また、クラウドファンディングはあくまで投資なので、投資家としてお金が戻らないリスクがあることも理解した上で利用しましょう。
よほど悪質で詐欺的なプロジェクトでない限り、返金は難しいというのが現状です。

 

まとめ

クラウドファンディングにも失敗例が多いことはお分かりいただけたでしょうか?

 

クラウドファンディングは手軽に利用できる反面、利用者はリスクについて考慮しないことが多くなります。
ただし、手軽さはリスクがないということとは別問題です。

 

プロジェクトの起案者も支援者もリスクに関しては充分に理解して利用しましょう。