補助金、助成金と法人向けカードローンで備える資金調達
起業する場合、それが法人でも個人事業主であっても多額の開業資金が必要になります。
起業して間もない企業や中小企業では、事業や雇用にかかる経費を全て自社でまかなうのは厳しい場合があります。
豊富な資金があって開業する人はそれほど多くはありません。
その為、一般的には開業に伴って運転資金や設備投資は公的機関や民間金融機関から融資を受けるという方法がありますが、その前に各種補助金や助成金などを活用することを検討しましょう。
補助金や助成金は基本的には返却する必要が無いので、金利負担や元本返済を伴う融資よりも有利に開業できます。
しかし、補助金・助成金を受けるためにはそれなりの条件をクリアする必要があります。
今回はこの補助金・助成金に関して詳しくご紹介しましょう。
補助金や助成金ってなに?
補助金や助成金は国や自治体が事業に対して補助する目的で行う、貸付と違って返却する必要のない金銭給付です。
起業家向けの補助金や助成金を活用できれば開業するにあたって返済の心配がない資金となり、起業の成功に大きく貢献できます。
まずは補助金と助成金の基本からご紹介しましょう。
補助金と助成金の違い
補助金も助成金も返却不要で給付には条件が伴うという点では同じですが、大まかに説明して補助金は助成金よりも給付が難しいということになります。
補助金については給付条件が厳しいというよりも、予算の都合上それほど多額の資金が準備されていないことや、公募期間が短期間のためいつでも申請できるわけではないというデメリットがあります。
これに対して助成金はほぼいつでも申請でき、条件さえ合えば給付される可能性が高いのです。
補助金のしくみ
補助金は申込条件を満たしても審査を通過しないと給付されません。補助金を利用することでどれくらい社会貢献ができるかといった必要性をアピールする必要があります。
最も多く利用されている補助金には次のようなものがあります。
■創業補助金(創業促進補助金)
■ものづくり補助金
上記補助金の個別のしくみについては後述しますが、一般的に補助金は全額支給されるわけではないので上限などは個別に調べておく必要があります。
必要書類を揃えて申請後、審査を受けて承認されると給付を受けられるという流れです。
ただし補助金で設備を購入するということはできません。あくまでも設備を購入したあとで、一部負担を軽減するという目的のために補助金があります。
名称通り補助することが目的なのです。全く自己資金無しで補助金だけで開業することはできません。
補助金の特徴
補助金は、主に経済産業省が提供者となっており、特定の政策にあった要件に対しての支援を目的としています。
メリットとしては、融資額の幅が大きく、数千万円規模の補助もあります。
これらを返済なしで融資を受けられることは、メリット以外になにものでもありません。
しかし、補助金は、申請すれば全ての事業主が活用できるのかといえば、そうではありません。
もともと補助金の予算が決められていることも多く、限られた枠内で分配されていきます。
当然のことながら、補助金の活用を希望するには、政策に合った利用条件をクリアする対象事業者であることが最低条件となります。
また、申請書類・事業計画書など審査もシッカリと行われるため、補助金の受給に関しては助成金と比較すると狭き門となります。
あと、気をつけておかなければならないのは、一般的に公募期間が短い点と補助金は後払いでの受取になることです。
公募期間に関しては、日頃から支給機関・実施機関のホームページなどをチェックしていれば問題ないかも知れません。
しかし、一番のデメリットは補助金が後払いになるという点です。
自己資金がない場合、借入などして受給までは自力で費用など資金調達しなければなりません。
また、申請時の手続きが面倒な時は、専門のコンサルタントなどに依頼するのが良いでしょう。
助成金のしくみ
補助金と違って助成金は受給条件さえ満たしていれば受け取ることができます。
しかし、現在受給できる助成金では創業時に使えるものはありません。
「受給資格者創業支援助成金」や「中小企業基盤人材確保助成金」は創業時に利用できましたが今はもう廃止となっています。
なので、助成金は起業後に利用するものだと考えておきましょう。主に利用されている助成金には次のようなものがあります。
■キャリアアップ雇用奨励金
■キャリア形成促進助成金
■雇用調整助成金
助成金も補助金と同じように、基本的には後の給付となります。
助成金の特徴
助成金は経済産業省とは異なり、厚生労働省から提供されるものになります。
補助金と同じように特定の政策を推進することが求められ、一定の条件をクリアすると受け取ることができます。
基本的には厚生労働省ということで、従業員・労働者の雇用促進など、人材の雇用関連ものがほとんどです。
離職者だけでなく、高齢者・障害者などの雇用を図る助成金などがあります。
助成金は、募集期間が長い特徴もあり、必要に応じて活用できる制度でもあります。
審査も形式要件なので補助金の審査ほど厳しくはありません。
しかし、助成金を受け取りやすい反面、小額になることがほとんどです。
手続きも自分で申請することも可能ですが、必要があれば外部の社会保険労務士などに依頼すると良いでしょう。
主体別助成金・補助金
それでは起業家が活用できる助成金や補助金をその主体となる省庁・自治体別に解説しましょう。
経済産業省系の補助金
経済産業省では起業促進、地域活性化、女性若者の活躍支援、中小企業振興、技術振興などの施策を目的とした補助金を実施しています。
■創業促進補助金
■第二創業促進補助金
これら2つの補助金は通称「創業補助金」と呼ばれています。創業したての場合は「創業促進補助金」の給付を目指しましょう。
平成28年度のスケジュールは次のとおりだったので、次年度に向けて準備をしておきましょう。
公募期間 | 平成28年4月1日(金)~平成28年4月28日(木)17時必着(採択総数136/応募総数2866=4.7%) |
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交付申請期間 | 平成28年6月21日(火)~平成28年7月20日(水)17時必着 |
創業促進補助金は補助率が2/3で補助金額100万円~200万円、第二創業促進補助金は新事業・新分野への展開プランを応援する補助金で同様の補助率、補助金額です。
採択率はかなり低いので狭き門ですが、最大200万の返済不要の補助金を受け取れるのでチャレンジする価値はあります。
■ものづくり補助金
ものづくり中小企業・小規模事業者に対して「試作品の開発」「設備投資」などにかかるお金を支援する補助金です。
平成28年度は2回に分けて公募が行われています。
1次公募日程 | 平成28年2月5日(金)~4月13日(水) |
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2次公募日程 | 平成28年7月8日(金)~8月24日(水) |
採択率は30%程度のようでやはり狭き門となっています。補助率は2/3で、小規模型のホジキンでも最大500万円が給付されるので、トライしてみましょう。
ただし損益計算書2期分の記載が必要で商工会議所を通して申請するので、創業~2年以上の期間は必要です。
厚生労働省系の助成金
厚生労働省の助成金は雇用促進、労働者の職業能力向上などの施策を目的としているため、経済産業省の助成金とは違い審査がないという特長があります。
つまり助成金の給付要件を満たしていれば助成金がもらえるので、人を雇う予定のある起業の場合は要チェックです。
■キャリアアップ助成金
起業には正規雇用者だけでなく有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった「非正規雇用労働者」が存在しますが、非正規雇用労働者を正社員にするためのの助成金を給付しています。
また、職業訓練を助成する「人材育成コース」、賃金規定等の改定、健康診断制度の導入、賃金規定等の共通化、週所定労働時間を延長し、社会保険加入ができるようにすることを助成する「処遇改善コース」もあります。
■トライアル雇用奨励金
ハローワークの紹介により安定的な就職が困難な求職者を雇った場合、最長3ヶ月間一人あたり4万円~5万円の奨励金が給付されます。
各自治体やその他の補助金・助成金
各自治体が行う場合はその地域の活性化や地域支援事業として行っています。
融資の利子補給、信用保証料補助、店舗の家賃補助、ホームページ作成費用補助金、展示会出展費用補助金などさまざまな補助金があり、実施主体によってその内容も違うので、事業を始める前にチェックしておくと良いでしょう。
今までご紹介した以外にも大手企業・各種財団が、事業化支援として補助金などを給付しているので、公的支援だけでなく幅広くチェックして自分が求めている補助金などがあるかどうか支援情報を集めてみましょう。
参考までに主な支援事業や支援団体を紹介します。
■ものづくり中小企業・小規模事業者連携支援事業(全国中小企業団体中央会)
■地域商業再生事業(中小企業庁)
■地域産業資源活用支援事業(中小企業庁)
■28年度戦略的基盤技術高度化支援事業(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
■高齢・障害・求職者雇用支援機構
■新事業創出のための目利き・支援人材育成等事業(経済産業省)
■産業集積戦略推進事業(経済産業省)
助成金や補助金の使い方
ビジネスを始めるときに資金ゼロで始めることはできません。ごく小規模な自宅で開業するといった場合を除いては、自己資金がある程度必要になります。
それもほとんど準備できないとなると中小企業融資制度などを利用することになります。助成金や補助金はそれだけで事業を始めるには適していません。
主に小規模企業者・小規模事業者向けの援助や成長産業をより成長させるための支援が目的です。
その為、開業資金は自分で準備をして、その補助として助成金や補助金を活用しましょう。
例えば低金利の融資を受けて事業資金を調達してから、補助金や・助成金の給付を受けることができれば、それを融資残高に充当することができます。
これだけで返済金額を大幅に減らすことができます。
また、補助金・助成金の給付が決定すれば、それを担保として低金利のつなぎ融資を受けることもできます。
これによって給付前に助成金や補助金を活用することも可能になります。助成金や補助金は単独ではなく融資と絡めることで活用の幅が広がります。
資金調達への備えはカードローン
冒頭でも述べましたが、創業支援などの融資は返済が必要になります。
補助金・助成金が返済不要でメリットが高いことを説明してきましたが、同時に、後払いになるデメリットも紹介しました。
受取を対象とする事業終了まで資金調達ができるのであれば特に問題ありません。
しかし、いつ、どこで費用が必要になるか分からないのも不安ですよね。
そこでおすすめなのが、法人向けのカードローンを一枚もっておくことです。
経営者・個人事業主専用カードローン「AGビジネスサポート」では、入会金・年会費も無料で持つことができます。
コンビニなどに設置されるセブン銀行ATMとも提携していることから全国各地で、運転資金・つなぎ資金をいつでも借入することができる備えのカードとしておすすめ。
また、事業性資金としては活用できませんが、生活費を補助する目的であれば、低金利の「みずほ銀行カードローン」。
もちろん、年会費も無料で、年率3.0~14.0%(※みずほ住宅ローン利用時)の低金利は、さすがのメガバンクの銀行カードローンと言えます。
補助金や助成金の受取には時間を要するため、資金調達の備えとしてはカードローンが便利です。
まとめ
助成金や補助金の給付を受ける場合は事業計画をしっかりとすることが重要です。特に審査がある場合は事業経過の内容が重要となります。
政府が主体となっている場合は政策を実行するための事業として行われます。
つまり補助金や給付金は年度補正予算などで決められた範囲内で給付することになるので、希望者全員には給付されません。
その為よりしっかりとした事業計画が必要なのです。
いずれにしても助成金や補助金が活用できれば事業展開の大きな力となるのは間違いありません。
これから起業しようとしている方、すでに起業してさらなる事業拡大を図ろうとしている方は助成金や補助金を活用してみましょう。