個人事業主も受け取れる5つの助成金・補助金と利用の注意点

銀行や公庫などからの融資とは違い、企業から納められた雇用保険料を財源とする「助成金」や「補助金」は返済不要の資金調達法です。

助成制度や補助制度と聞くと、一般には中小企業や小規模事業者向けの制度というイメージがあるかも知れません。
しかし、なかには個人事業主でも受けられる助成金もあります。

今回は助成金の概要について解説しながら、個人事業主でも受けられる給付金の種類と申請方法について詳しくお話ししようと思います。

助成金とは

助成金とは、会社と個人事業の発展のために厚生労働省や地方自治体が設けた雇用関連費用の支援制度です。
支援にはいくつかの申請条件と審査が設けられていて、それらに通過した企業と事業主だけが支援を受けることができます。

助成金と補助金の違い

助成金とおなじく、補助金も起業家は中小企業を支援するための支援制度です。
助成金は主に厚生労働省が管轄しているのに対して、補助金は経済産業省が管轄しています。
補助金にも補助条件と審査が設けられいるので、すべての申請者が支援を受けられるわけではありません。

助成金と補助金の給付額は、支援の種類によってまちまちです。
助成金のほうが高額支援が受けられる場合もあれば、逆もしかりです。
どちらの制度を利用するかは支援内容をよく見て選択しましょう。

助成金と事業融資の違い

日本政策金融公庫や銀行などから受けられる事業融資は「負債」です。
そのため、期日までに元金に利息を上乗せして返済しなければなりません。

一方で、国からの給付金である助成金と補助金には返済の必要がありません。
自己負担ゼロで資金調達できるので、事業融資とは違って気軽に受給できます。

なぜ助成金や補助金には返済義務がないのか?

給付金である助成金と補助金には、国の雇用問題を解決する役割があります。
雇用関連費用を援助する代わりに、企業や事業主に対して雇用の改善を要求することが助成金と補助金の目的です。

この目的を達成するために、助成金と補助金は「企業が納めた雇用保険料」から賄われています。
企業から集めた資金を企業に返すというサイクルで制度が維持されているため、助成金と補助金には返済の必要がないのです。

その代りに、助成金と補助金の支給額は目的に応じて上限額がきっちりと決められています。
返済がないというのは助成金と補助金との大きな魅力ですが、給付額に関して企業や事業主の希望を聞いてもらえない点では事業融資には一歩劣るといえます。

助成金の活用方法と注意点

助成金と一言でいっても、その種類はさまざまです。
その上、助成金には必ず申請条件が定められていて、誰もが希望する制度に申し込めるわけではありません。

助成金を活用する際には、まずは助成金の情報を集め、基礎知識を身につけましょう。
助成金に関する情報は主な管轄である厚生労働省の公式サイトで詳しくまとめられています。
※参考:厚生労働省公式HP 事業主の方のための雇用関連助成金

紙面で確認したい方は、お近くの労働局やハローワークに行けば最新の助成金に関するパンフレットをもらうことも可能です。

しかし、ホームページやパンフレットで助成金に関する情報を得ても、どの制度がご自分の事業に最適であるのかを判断するのは簡単ではありません。
そんな場合には社会保険労務士に相談してみましょう。
社会保険労務士は唯一助成金の申請代行が認められているので、アドバイスだけでなく支給申請まで依頼できます。

助成金に関する簡単な相談であれば、労働局やハローワークの窓口でも受け付けてもらえます。
しかし、より専門的でご自分の状況を考慮したアドバイスを受けたいのであれば社会保険労務士に相談するのが一番です。

助成金活用の3つの注意点

助成金活用でまず注意しておきたいことは、給付のタイミングです。
助成金が給付されるのは、雇用関連費用が実際に支払われた後です。
事業融資とは違って支払い前に予め給付金を受け取ることはできませんので、一時的には立て替えが発生することを念頭に置いておきましょう。
※一部の補助金は創業資金にも利用できます。

助成金活用の2つの目の注意点は、助成金関連の営業には安易に乗らないことです。
世間には電話やFAXで助成金の活用を勧誘する業者がいますが、助成金の申請代行が国から認められているのは社会保険労務士だけです。
その他の団体では適切なアドバイスや申請代行をしてもらうことができないのでご注意ください。

個人事業主が利用できる5つの助成金・補助金

それでは個人事業主が利用できる助成金のうち、代表的なものをご紹介しましょう。
今回は補助金についてもあわせてご紹介します。

実際に申し込みをする場合は管轄省庁のホームページなどで申請期間、申請先、申請方法などに関する最新の情報をチェックしてから手続きをおこなってください。

キャリアアップ助成金

「キャリアアップ助成金」は、契約労働者、パート、アルバイトなどの非正規雇用労働者のキャリアアップを促進する取り組みを実施した事業主を対象とした厚生労働省の助成金です。

キャリアアップ助成金には以下の8つのコースがあります。

  1. 正社員化コース
  2. 人材育成コース
  3. 賃金規定等改定コース
  4. 健康診断制度コース
  5. 賃金規定等共通化コース
  6. 諸手当制度共通化コース
  7. 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  8. 短時間労働者労働時間延長コース

例えば、正社員化コースでは有期契約労働者を正社員に転換することで、1名に付き57万円の助成金が支給されます。

個人事業主から大企業まで助成金を受ける資格がありますが、助成金の金額には事業規模によって違いがあります
キャリアアップ計画書を労働局で提出していれば、いつでも申請できます。
詳しい要件などはパンフレットを参照しましょう。
※参考:厚生労働省公式HP キャリアアップ助成金

人材開発支援助成金(旧:キャリア形成促進助成金)

「人材開発支援助成金」は、社員と従業員の継続した人材育成に取り組む事業主を対象とした厚生労働省の助成金です。
具体的には、職務に必要な専門知識や技能習得のためにセミナーや研修などの職業訓練を導入・実施した事業主などが対象です。
雇用者のスキルを上げ、生産性を向上させるために活用しましょう。

人材開発支援助成金には以下の7つのコースがあります。

  1. 特定訓練コース
  2. 一般訓練コース
  3. 特別育成訓練コース
  4. 教育訓練休暇付与コース
  5. 建設労働者認定訓練コース
  6. 建設労働者技能実習コース
  7. 障害者職業能力開発コース

※参考:厚生労働省公式HP 人材開発支援助成金

ただし、この助成金は雇用保険適用事業所だけが受けられます。
労働保険料が未払いの場合は対象とならないので注意してください。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」とは、高齢者や障害者など、なんらかの事情により雇用が安定しない方を継続的に雇用した事業主が受けられる、厚生労働省の助成金です。

対象労働者によって支給額が異なります。
以下はその一例です。

対象労働者 支給額 助成対象期間 支給対象期ごとの支給額
高齢者(60歳以上65歳未満)の短期労働者以外の者 50万円 1年 25万円×2期
母子家庭の母等の短期労働者以外の者 50万円 1年 25万円×2期
高齢者(60歳以上65歳未満)の短時間労働者 30万円 1年 15万円×2期
重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者 30万円 1年 15万円×2期

※参考:厚生労働省公式HP 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

創業・事業継承補助金

「創業・事業継承補助金」は日本の経済を活性化させるために創業する事業主を対象とした補助金です。
中小企業庁が管轄しています。
毎年一定期間だけ公募をおこなっているので、これから開業予定の方は見逃さないようにしましょう。

以下は平成29年度分の「創業・事業継承補助金」の給付額です。

外部資金調達あり 対象経費の1/2(上限200万円)
外部資金調達なし 対象経費の1/3(上限100万円)

※参考:株式会社電通特設サイト 平成29年度創業補助金

小規模事業者持続化助成金

「小規模事業者持続化助成金」は、商工会議所の管轄地域で事業を営んでいる小規模事業者が対象となる補助金です。
名称には助成金とありますが、分類としては助成金ではなく補助金に該当します。
商工会議所が管轄している支援制度です。

補助金は以下の要領で受けられます。

<td経営計画に基づいて実施する販路開拓等の取り組みに対し、原則50万円を補助上限に補助額(補助率2/3)が受けられる。

補助金の対象と金額 経営計画に基づいて実施する販路開拓等の取り組みに対し、原則50万円を補助上限に補助額(補助率2/3)が受けられる。
その他のメリット 計画の作成や販路開拓の実施の際、商工会議所の指導・助言が受けられる。
対象となる小規模事業者 会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合)
対象事業者の規模 卸売業・小売業:常時使用する従業員の数5人以下
サービス業(宿泊業・娯楽業以外):常時使用する従業員の数5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数20人以下
製造業その他:常時使用する従業員の数20人以下
申請方法 (1)地域の商工会議所を通して補助事業計画書と経営計画書を日本商工会議所に送付して審査を受ける。
(2)採択され実績報告書を提出後、補助金を請求・受け取り。

平成29年度の受付と締切のスケジュールは以下の通りです。

受付開始 平成30年3月9日
受付締切 平成30年5月18日

ビジネスローンと助成金

銀行融資と助成金の違いについてはすでに説明しましたが、消費者金融のビジネスローンやビジネスカードローンは銀行融資とは違った側面があります。
ビジネスローンと助成金の違いや活用方法について解説しましょう。

ビジネスローンとは

消費者金融が提供するビジネスローンは、個人事業主が少額の事業資金を調達する際にメリットがある資金調達法です。
というのも、ビジネスローンなら助成金や銀行の事業融資などと比べて圧倒的に融資スピードが早いからです。

日本政策金融公庫で3週間、銀行では2週間程度かかる申し込みから融資実行までの期間が、ビジネスローンでは長くても数日に短縮できます。
このメリットを生かして助成金の給付期間までのつなぎ融資として利用することもできます。

ただし、ビジネスローンの金利は年最大金利で年18.0%と、銀行融資に比べて設定が高めです。
そのため、長期利用や高額融資には向きません。
ニーズにあわせて助成金や銀行融資と使い分けましょう。

ビジネスローンと助成金の連動

助成金は返済が不要な資金としてメリットが大きいです。
しかし、その反面、一時的な立て替えが必要であることと、給付までに時間がかかることがデメリットとなります。
キャリアアップ助成金の正社員コースでは正規雇用に転換してから11ヶ月経過しなければ助成金を受け取ることができません。

助成金の金額が大きければ金利負担は大きくなりますが、少額であればビジネスローンをつなぎ資金として利用すれば、金利負担は大きくならず事業資金として活用できます。
金額と支給期間によってはビジネスローンを活用してみましょう。

ビジネスローンとしては、アイフル系列のビジネクストがおすすめです。
大手消費者金融の関連会社なので安心して利用できる上に、事業資金を専業としているのでビジネスローン以外にも事業資金調達が可能です。

まとめ

個人事業主は銀行融資の審査通過率も低く、事業資金の調達に苦労している事業者も多いでしょう。
助成金は返済の必要もなく、特に従業員を雇う場合には種類が豊富で利用しやすい制度です。
事業資金調達方法は数が多いほど、様々なケースに対応できるので助成金もそのひとつに加えておきましょう。

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