信用情報機関「全国銀行個人信用情報センター(KSC)について

銀行などの金融機関、消費者金融会社やクレジットカード会社などの与信取引会社は、審査をするときには個人信用情報機関の個人データを参照します。

個人信用情報機関は3つありますが、銀行も会員として信用情報機関に加盟して情報を参照しています。

中でも銀行や銀行子会社でなければ加盟できないKSCは、それ以外の個人信用情報機関とは違う特徴があります。

今回は個人信用情報機関の中でも特にKSCに焦点をあてて解説しましょう。

銀行が加盟する個人信用情報機関

まずは銀行が加盟している3つの個人信用情報機関を簡単にご紹介しましょう。

CIC(株式会社シー・アイ・シー)

CICはクレジット系の個人信用情報機関でしたが、現在では門戸を開放してあらゆる与信会社が加盟しています。

CICのデータ保有量は3つの個人信用情報機関の中でも最大の7億件となっています(2017年11月20日時点)。

貸金業法や割賦販売法では、「指定信用情報機関」の設置を義務付けていますが、CICはその指定信用情報機関として登録されています。

JICC(株式会社日本信用情報機構)

JICCの前身は「全国信用情報センター連合会(全情連)」で、消費者金融会社を加盟対象とした個人信用情報機関でした。

現在はCIC同様、業種を問わず加盟することができる、指定信用情報機関となっています。

また、JICCとして設立したときに、CCBという個人信用情報機関も吸収合併しています。

加盟会員は消費者金融会社や信販会社などのノンバンク以外に、銀行などの金融機関もあります。

KSC(一般社団法人全国銀行個人信用情報センター)

KSCは銀行とその関連会社が加盟する個人信用情報機関です。

CICやJICCと違い貸金業法や割賦販売法の規制対象外なので、指定信用情報機関としては登録していません。

CICやJICCと比べると、加盟資格が厳しい排他的な個人信用情報機関でノンバンクはほとんど登録することができません。

3機関のデータ共有関係

CICとJICCは 同じ指定信用情報機関として情報の共有が義務付けられています。

情報共有システムはFINE(Financial Information Network)と呼ばれていて、次の情報を共有しています。

個人情報等

本人を識別するための情報、契約内容など

申込情報

ローン等の申込を受け、貸金業者が照会した事実を表す情報。

貸金業法では年収の1/3以下の貸付制限があり、割賦販売法でも分割利用できる利用枠の上限があります。

それらの上限を超えていないかどうかをチェックするための情報がFINEによって提供されています。

銀行はこれらの規制対象外なので、KSCはFINEに参加していませんが、CRINシステムによって事故情報を共有しています。

CRIN(Credit Information Network)は、CIC・JICC・KSCがすべて参加する信用情報交流ネットワークです。

CRINでは多重債務者や自己破産者の発生防止が目的なので、事故(ブラック)情報を中心に情報を交流しています。

しかし交流する情報の定義が3機関で統一されていないため、すべての事故情報が交流されているわけではありません。

KSCの特徴

ほとんどの銀行が加盟するKSCは、ほかの個人信用情報機関に比べて違う特徴があります。

それではKSCの特徴について詳しく解説しましょう。

加盟会員の特徴

KSCに加盟することができる金融機関は次の条件を満たす必要があります。

1.銀行または法令によって銀行と同視される金融機関
2.政府関係金融機関またはこれに準じるもの
3.信用保証協会法に基づいて設立された信用保証協会
4.個人に関する与信業務を営む法人で、上記1または2の推薦を受けたもの(クレジットカード会社、保証会社等)

上記の条件があるためクレジットカード会社でKSCに加盟しているのは、アメリカン・エキスプレスや一部の銀行子会社のカード会社に限られています。

消費者金融業者に関しては、加盟している会社はありません。

特徴的な加盟会社としては「日本学生支援機構」があります。

いわゆる奨学金を貸与している機関ですが、近年奨学金の支払を延滞する利用者が増加していることからKSCに加盟しています。

奨学金の審査でKSCは参照しませんが、3ヶ月以上延滞すると延滞状況がKSCに記録されます。

これによって銀行住宅ローンやカードローンなどの審査に影響があります。

KSCの登録内容と登録期間

KSCが登録している情報の内容と保存期間は次のとおりです。

登録情報 登録期間
●取引情報

ローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況(入金の有無、延滞・代位弁済・強制回収手続き等の事実を含む)の履歴

契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間
●照会記録情報

会員がセンターを利用した日、ローンやクレジットカード等の申込・契約の内容等

当該利用日から、本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間
●不渡情報

手形交換所の第1回目不渡、取引停止処分

第1回目不渡は当該発生日から6か月を超えない期間、取引停止処分は当該処分日から5年を超えない期間
●官報情報

官報に公告された破産・民事再生手続き開始決定等

当該決定日から10年を超えない期間
●本人申告情報

本人確認資料の紛失・盗難、同姓同名別人の情報がセンターに登録されており自分と間違えられるおそれがある旨等のご本人からの申告内容

登録日から5年を超えない期間

KSCの登録情報でCICやJICCにない情報は次の2つです。

・不渡情報
・官報情報

不渡情報は金融機関にとっては重要な情報なので、KSCが提供していることには何の不思議もないでしょう。

官報情報は自己破産の情報ですが、これはかつてCICやJICCも提供していた情報です。

個人信用情報機関が独自に調査して掲載する情報ですが、CICやJICCは独自に調査する情報の提供はやめています。

しかしCICやJICCでも自己破産の情報は提供していますが、これは加盟会員会社が提供した情報として提供しているものです。

そのため同じ自己破産情報でもCICとJICCの登録期間は5年ですが、KSCだけは10年となっています。

KSCの登録情報による影響

KSCに加盟している金融機関は限られているので、クレジット審査や消費者金融の審査には影響がないように思えます。

しかし、KSCには金融機関の保証会社も加盟していて、銀行の個人向けローンはほとんどが保証会社付きのローンとなっています。

したがって銀行ローンで3ヶ月以上滞納して保証会社の代位弁済(保証履行)を受けると、クレジットカードやノンバンク融資の審査も通過しなくなります。

反対にクレジットや消費者金融関連の事故歴は、銀行融資にどのような影響があるでしょうか?

金融機関の保証会社はCICやJICCにも加盟しているので、銀行ローンでも保証付きであればCICやJICCの事項情報があれば審査は通過しません。

銀行のプロパー融資であれば影響はないでしょうが、法人や事業者でなければプロパー融資はほとんど受けることができません。

そのためどの個人信用情報機関に事故情報が登録されても、最終的にはすべての個人信用情報機関で参照できると考えましょう。

KSCの登録情報を開示請求

KSCに限らず、すべての個人信用情報機関では登録情報の開示請求が可能です。

KSCに情報の開示請求する方法は郵送による請求のみとなっています。

本人だけでなく法定代理人や相続代理人でも請求が可能です。

申込書に本人確認書類、開示手数料(1,000円)分の定額小為替証書を同封して郵送すると、申込者に開示報告書が送付されます。

銀行融資で却下されたなど登録されている情報を確認したい場合に利用しましょう。

本人申告の目的と手続き

本人申告もKSCを含めたすべての個人信用情報機関で登録することが可能です。
本人申告をする目的は以下の2つです。

・運転免許証等本人確認資料の紛失または盗難により名義を冒用される可能性がある場合
・センターに同姓同名かつ同一生年月日の別人の情報が登録されており、本人と間違えられる可能性がある場合

本人申告をしてもそれを与信判断に生かすかどうかは、加盟会社に委ねられているので、KSCはその効果を保証していません。

本人申告の手続きも開示方法と同じように、郵送による手続きとなります。

まとめ

個人信用情報機関KSCについてはおわかりいただけたでしょうか?

KSCは個人信用情報機関の中でも少し特殊な立場にある個人信用情報機関ですが、個人はもちろん事業者が銀行ローンを受ける場合には重要なポイントとなります。

融資審査を通過するためにもKSCの情報は重要ですが、審査を通過してからきちんと支払うことでKSCの情報は良くすることができます。

すべての審査は信用力が重要で、その信用力を高めるかどうかは自分次第だということを忘れないようにしましょう。

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