クラウドファンディングの手数料は調達タイプで異なる

クラウドファンディングは資金調達方法として日本でも普及している方法です。

特に中小企業代表者や個人事業主が開業資金として手軽に利用できるようになりました。

しかしクラウドファンディングでも手数料負担があるので、一体どれくらいの手数料を見込んでおけばいいのでしょうか?

今回はクラウドファンディングの手数料について解説しましょう。

クラウドファンディングの手数料

クラウドファンディングとして最も手軽に利用できるのが寄付方式・購入方式と呼ばれるものです。

投資方式クラウドファンディングが、「不動産」「金融」「企業融資」といったジャンルに限られるのに対して、業種や法人・個人を問わずに利用できるメリットがあります。

日本でもインターネットのサイトを利用して、簡単に資金調達が可能になっています。

All or Nothing方式とAll In方式

購入方式の場合、商品開発のプロジェクトを立ち上げて資金を募り商品やサービスを提供することで出資者への対価とします。

募集期間が決められその期間内にプロジェクトに必要な資金が集まらない場合はプロジェクト失敗となります。

All or Nothing方式は募集期間内に、設定した目標金額に達した場合のみ手数料がかかります。

All In方式では目標金額に達成してもしなくても手数料がかかる方式です。

国内大手クラウドファンディングの手数料

それでは具体的にどれくらいの掲載手数料(仲介手数料)がかかるのかを運営サイト別に見てみましょう。

CAMPFIRE 8%(仲介手数料)+5%(決済手数料)
Moonshot 0%(仲介手数料)+5%(決済手数料)
kibidango 10~14%(決済方法により違う)
Motion Gallery 10%(決済手数料Motion Gallery負担)
READY FOR? 17%(決済手数料含む。リピーターは14%)
Makuake 20%(うち決済手数料5%)
GREEN FUNDING 20%(うち決済手数料5%)
ShootingStar 20%(うち決済手数料5%)
COUNTDOWN 20%(うち決済手数料5%)
A-port 20%(All or Nothing方式) 25%(All In方式)

サービス運営会社によって手数料率は大きな違いがあります。

また、ほとんどの場合手数料にはクレジットカードやPayPal等の決済手数料が含まれますが、Moonshotのように仲介手数料なしで決済手数料は実費としてかかるケースもあります。

決済手数料が運営者の負担の場合は、15%~20%と高くなる傾向にあります。

手数料だけでクラウドファンディングを決めない

手数料が安いほど資金を効率よく運用できますが、プロジェクトが成功しないと何の意味もありません。

まずはプロジェクトの成功率が高い、クラウドファンディングを選びましょう。

Kibidangoはプロジェクト成功率80%と高く、手数料も10%程度なのでそれほど高くありません。

A-portは最も手数料が高いクラウドファンディングですが、朝日新聞が母体となっているので大手マスコミのバックアップが期待できます。

手数料の安さだけにこだわらず、どれくらいプロジェクトを後押ししてくれるのかも見極めて利用しましょう。

プロジェクト募集完了後の流れ

手数料の支払いや支援者からの支援金額の受け取りは、プロジェクトの募集期間が終了して目標達成後に行なわれます。

All In方式の場合は目標金額に達しなくても、手数料の支払いは必ず発生します。

仲介手数料や決済手数料は、銀行振込などプロジェクト実行者への入金タイミングに合わせて差し引かれます。

All or Nothing方式では調達失敗の場合、調達資金はゼロになり、振り込む金額がないため仲介手数料も決済手数料も必要ありません。

All or Nothing方式では成功した場合のみ手数料の支払いが発生します。

プロジェクトの成功のためにすること

個人事業主や中小企業がクラウドファンディングを利用する場合は、商品開発費用の調達が最も適しているでしょう。

新商品を開発するための費用をプロジェクトで調達できれば、出資者へ完成した商品を渡すことでリターンとすることができます。

しかしそのためには魅力的な商品を提供しなければいけません。

ありきたりの商品ではプロジェクトは成功しない

目標金額に達するためには魅力的な商品を開発することが必要ですが、それは簡単なことではありません。

画期的な商品はそう簡単には作れないからです。

しかし、今までにない商品を作るのではなく、今までの商品をひと工夫するだけでも付加価値が加わります。

自社商品をもう一度見直してみて、違う視点からの商品開発を心がけましょう。

ユーザーへのアンケート調査など利用者の立場から検討するのも一つの方法です。

プロジェクトの成功は商品の魅力にかかっているといえます。

リターンの設定を豊富にする

資金提供者へのリターンは1種類ではなく複数の設定をしましょう。

購入型のクラウドファンディングではショッピング感覚で出資することができます。
よく売れる店舗は品数も豊富と言うのは常識です。

同じように5万円では手が出ないけれども1万円なら購入したいという出資者は多いはずです。
リターンの金額設定はなるべく豊富にしましょう。

また個数限定や先着順にするのも特別感が出て効果的です。
ただし、市販予定がある商品の場合は、リターンを市販価格以上の設定にすると審査を通過しないこともあります。

出資者へのメリットという意味でもリターンにはお得感を出しましょう。

プロモーションも必要

クラウドファンディングで出資を募る場合も、プロジェクト公開後にある程度のプロモーションが必要です。

プロジェクト掲載をしただけでは訪問者には限りがあるため、プロジェクトページそのものを宣伝して多くの人の目に触れるようにしなければいけません。

かと言って広告宣伝費をかけていてはクラウドファンディングの意味がなくなります。
クラウドファンディングの魅力は手軽に資金調達ができるという点です。

TwitterやFacebook、Instagramなど自社商品に興味がありそうな人が使っているSNSを調査してそれらを活用しましょう。

無料で利用できるツールを使ってプロジェクトの認知度を高めるのです。

成功例や失敗例を参考にする

プロジェクト掲載開始前に自分のプロジェクトにもっと近い成功例や失敗例を調査して参考にしましょう。
実例が最も参考になるのは間違いありません。

特に失敗例は失敗という貴重な経験を他人から学ぶことができます。
自分が失敗しても貴重な経験にはなりますが、他人に学ぶことで貴重な時間を無駄にしなくても済みます。

また成功例を参考にする場合はプロジェクト名の付け方も参考にしましょう。

成功するプロジェクトにはプロジェクト支援者を引きつけるネーミングセンスもあります。
プロジェクトの進め方なども参考になる点は多いはずです。

中小企業のクラウドファンディング活用法

商品開発も中小企業が活用できるクラウドファンディング活用法のひとつですが、それ以外の活用法もご紹介しましょう。

店舗の開設

店舗を解説する資金のプロジェクトも少なくありません。
この場合のリターンは無料利用券などにすると効果的です。

クラウドファンディングの手数料は20%が一般的なので、銀行融資の金利と比べて高いと感じるかもしれませんが、意味はまるで違います。

クラウドファンディングの場合は、資金提供者から集まった金額から手数料が差し引かれますが、残った金額は返却する必要はありません

手元に残った金額を資金として使えるので、元本プラス利息も返済しなければいけない融資よりも効率的です。

無料利用券を配布する分、お金はかかりますがリピーターにつながる可能性もあるので、広告宣伝費と考えればいいのです。

またAll In方式にすれば集まった資金を頭金に不足分を銀行融資を受けることもできます。

店舗開設の場合は特定地域の出資者に限られるため、小規模となることがデメリットですが、ユニークな店舗ほど成功率は高くなるでしょう。

イベント開催

単独のイベント開催や地域の商店街でイベントを開催するときにもクラウドファンディングが活用できます。

イベントで顧客を集めたいと考えてもイベントの実施自体にお金がかかりますが、その資金もクラウドファンディングで集めることができます。

リターンのない寄付型が望ましいですが、参加無料のリターンを設定してもイベントでの利益よりも、地域の知名度アップやイベント後の集客が見込めれば意味があります。

最近では地域型のクラウドファンディングも普及しているので活用してみてはどうでしょうか。

まとめ

クラウドファンディングの手数料は考え方ひとつでそれほど負担にはなりません。

20%の手数料は負担に感じるかもしれませんが、単独で資金集めや寄付者を募ることを考えると、システム使用料としては妥当なものです。

銀行融資と比べても返済不要で一定金額が調達できるので、有利子負債が増えずキャッシュフローの改善にもつながります。

中小企業でも活用できるクラウドファンディングが増えているので、まだ利用していない経営者は一度プロジェクトオーナーになってみましょう。

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