個人事業主の口座開設は屋号付き

サラリーマンなど会社に勤めている方では毎月の給料が銀行口座に振り込まれている方も多いのではないでしょうか?

これらは個人用の銀行口座となるので、給与の振込先としての指定はもちろん、クレジットカード払いの引落口座など自由に使うことができます。

しかし、自分で事業を立ち上げている、いわゆる個人事業主やフリーランス、自営業を営む方にとっての銀行口座はどうでしょうか。

個人事業主の場合は自宅で仕事をされている方なども多く、個人と事業で使用しているお金の線引きが難しくなる実情があります。

例えば、仕事で上げた収益が、個人用の銀行口座に売上として入金されたとします。

しかし、同じ個人の銀行口座からは自宅のインターネット代や携帯電話料金などが次々に引き落としされることもあり、事業費とプライベート用のお金の管理が入り混じることになってしまいます。

また、もう一つのポイントは口座名義が個人名であることです。

今まで特に気にしていなかった口座名義も、事業では取引先となるクライアントに請求書を発送する際、振込先口座として指定する必要が出てきます。

もし、個人口座を事業用としても活用している場合、自身の本名が名義となっている口座に入金していただくことになります。

個人用とは別に事業用に口座開設

事業用と言いつつも法人名義での口座を作るという訳ではなく、そもそも個人事業主では法人格を持つ企業とは立場が異なります。

会社勤めや経理関係の業務に関わったことがある方であれば分かりやすいかも知れませんが、会社が持つ口座は法人名義となっており、例えば、「株式会社○×△」であれば口座名義も「カ)○×△」というようなイメージです。

一方の個人事業主は個人で事業を営むため、会社名のような法人名を持つことができません。

ただし、個人事業主でも法人名(社名)を持たない代わりに「屋号」を自由に付けることができます。

個人事業を始めるには開業届けを税務署に提出するだけで手続きができ、その開業届け(個人事業の開業・廃業等届出書(国税庁HP))には「屋号」を書く欄も設けられています。

屋号は無理に付ける必要はありませんが、個人事業主にとっては社名と同じ看板となるものなので出来るだけ付けておきたいところです。

また個人事業主であっても、この屋号を活用して口座開設することができる金融機関があります。

取引先などに請求をして、振り込んでいただく場合に個人名だけでは先方も不安に感じるところがあるかも知れません。

屋号付きの振込先であれば、個人口座よりも一組織として信頼を持ってもらえます。

ただし、口座名義は個人名だけでなく、「屋号+個人名」となるのが一般的で、各金融機関によって名義はどんな扱いになるのか窓口で確認することをおすすめします。

個人事業主として口座開設ができる金融機関

大きなところで言えば、下記の4行が個人事業主の口座開設に対応しており、メガバンクかネット銀行かに分けられます。

・みずほ銀行
・三菱UFJ銀行
・楽天銀行
・PayPay銀行

三菱UFJ銀行店内

楽天銀行やPayPay銀行は実店舗(銀行窓口)や支店を持たないネットバンクであり、振込手数料など手数料が安いので節約に効果を発揮。

また、個人事業のようにスピード感が必要な場合にも、スマートフォンやパソコンを使ったネットバンキングなどで簡単に入出金の手続きができます。

注意点としては、前述にもあるように個人名を隠したいという思いでビジネス用口座を開設する場合、「屋号名+代表者名(個人名)」であるのかどうかは事前に把握しておくことが重要になります。

法人名義であれば社名での口座開設も可能ですが、個人事業主の場合、屋号名だけで口座開設できるかどうかは金融機関に相談するようにしましょう。

ただ、大前提としてビジネス用の口座を開設する一番の目的・メリットは、個人と事業での入金・出金の区別をすることです。

事業を営む以上、細々とした経費や旅費、取引先との入出金が発生しますし、公共料金や事務所費用の支払いなどもあることから個人用とは通帳を分けておく方が経費管理もラクになります。

毎年しなくてはならない確定申告(青色申告と白色申告)でも、帳簿の勘定科目をつける際に銀行取引に関しては通帳に記載されている項目を一覧で確認することができるようになります。

また、口座開設に関しては都市銀行やネット銀行だけでなく、他にも地方銀行や信用金庫などでも対応している金融機関もあります。

特に信用金庫や信用組合などは地元企業に注力した営業・サービスを展開しているので相談してみるのもおすすめです。

口座開設に必要になる書類

個人で口座を作る場合も同じですが、開設手続きには必要書類があります。

あくまで事業用なので本人確認書類(運転免許証や各種健康保険証)だけでなく、事業の証明書類も必要であり、屋号名義や住所の確認できる書類が必要です。

・身分証明書
・印鑑
・開業届
・屋号確認資料

金融機関によって必要になる書類は異なるので、シッカリ確認しておきましょう。

また、個人用では即日で口座開設できる場合もありますが、事業用は口座開設における審査に時間がかかることもあります。
※キャッシュカードなどは後日郵送など

もし、新しく事業を始める際には、口座開設のことも並行して準備を進めることで時間ロスを節約することができます。

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