起業・会社設立した直後のクレジットカード審査ポイント
クレジットカードは個人向けだけではなく法人代表者や個人事業主、法人向けに法人カードやビジネスカード、コーポレートカードと呼ばれているクレジットカードも発行しています。
法人カードにはビジネス向けのサービスやメリットがたくさんあるので、会社設立から利用すれば効果があります。
しかし、クレジットカード審査では設立直後の法人は、勤務年数が短い個人と同じで、審査を通過できる可能性が低くなります。
今回は設立直後の会社は法人カードを作るのは絶対無理なのか、法人カードを審査するポイントも含めて解説しましょう。
法人カードと個人カードの審査
まずは個人カード審査と法人カード審査ではどのような違いがあるのか、その点から解説しましょう。
基本的な審査ポイントは同じ
個人カードでも法人カードでも基本的に返済能力があるか、過去にクレジットの事故があるか、収入は安定しているかといった審査基準は同じです。
個人の場合、返済能力は勤務先や年収で判断し、収入が安定しているかどうかは勤務年数で判断します。
クレジットの事故や他社の利用状況は個人信用情報機関の情報をチェックすることでわかります。
法人カードの場合、返済能力は申告所得で安定性は事業年数で判断できます。
法人の事故歴は個人信用情報機関ではわからないので、民間の信用情報機関のデータによって調べます。
調査方法は違いますが審査する項目は同じです。
法人特有の審査ポイント
法人カードでは申込対象が法人、法人代表者、個人事業主の3種類あります。
法人代表者と個人事業主は個人申込と同じように個人信用情報機関でチェックが可能です。
これによって他社のクレジット利用やクレジット事故などのクレジットヒストリーを調べることができます。
しかし法人の場合はクレジットヒストリーではなく、手形不渡りや倒産歴がないことを調べる必要があります。
帝国データバンクや東京商工リサーチといった信用調査機関は、過去の倒産歴や手形不渡り情報をデータ化して与信会社に提供するサービスを行っています。
法人カード審査ではこうした情報をチェックして審査結果の判断材料にしています。
会社設立直後の法人カード発行は厳しい
個人カードで勤続年数1ヶ月の申込が却下されやすいのと同じで、設立間もない会社も審査は通りにくくなります。
法人カードの利用枠は個人カードと比べて大きいので、返済能力や支払の安定性はより厳しくチェックされます。
それでも個人事業主や法人代表者が申込した場合は、クレジットヒストリーが良好であれば審査を通過する可能性があります。
個人としての実績があるので多少減額はあるかもしれませんが、審査通過の可能性は高いでしょう。
一方、個人ではなく会社として法人カードに申込する場合は、判断材料がないので審査通過が難しくなります。
特に決算書2期分の提出が条件になっている法人カードでは審査通過は難しいでしょう。
会社設立直後でも法人カードを作るには
同じ会社設立直後で個人経営を長く続けていて法人化した場合と、会社勤めから起業した場合では大きく違います。
個人事業を法人化した場合は個人としての実績があるので、決算書の代わりに申告書を提出したり、個人事業の年数を記載したりすることで審査通過の可能性が高まります。
しかし、サラリーマンが独立した場合は全く実績がないので、銀行系の法人カードは作るのは難しいでしょう。
この場合は決算書の提出が不要な信販系の法人カードを作ることをおすすめします。
経費をクレジットカード決済できるというメリットはどの法人カードでも同じなので、新規設立の場合は信販・流通系の法人カードがおすすめです。
もっとサービスが充実した法人カードを作りたい場合も、信販・流通系法人カードでクレジットヒストリーを作っておけば入会しやすくなります。
クレジットヒストリーが良好な場合、審査を通過しやすくなるのでは個人カードでも方針カードでも同じです。
法人カードのメリット
法人開設直後でも法人カードにはメリットがあります。最も大きなメリットは経費の管理がしやすくなり、経費の節減にもつながるという点です。
それでは法人カードのメリットをご紹介しましょう。
経費の支払・管理が楽になる
経費といっても多種多少で支払先も複数となります。これらを出来る限りクレジットカード決済にすることで、支払日が一つにまとまり管理しやすくなります。
また現金で会社の備品や事務用品を購入する場合は小払いや経費精算などで経理担当者の負担も大きくなりますが、法人カードを利用すれば経理担当者の事務負担を軽減できます。
高速道路を利用することが多ければ法人ETCカードを利用すると便利です。
月に何回利用しても支払は1回ですむ上に、いつどこで利用したのか明細も発行されます。
ETC割引やETCマイレージサービスによって経費を軽減することも可能です。
法人ガソリンカードも車両台数が多い会社では、車両台数分の追加カードを発行すると、車両別にガソリン代や修理費の管理ができます。
ガソリンスタンドが違っていても、支払日も統一されるので支払が単純化されます。
キャッシュフローに余裕ができる
法人カードの支払は月1回なので、支払は最短で1ヶ月、最長では2ヶ月近く後になります。
支払を先延ばしにできるというのは会社経営にとっては重要なことで、キャッシュフローに余裕ができます。
現金払いではすぐに支払うよりは1ヶ月以上先に支払うほうが、資金繰りにも余裕が生まれます。
経営では入金はなるべく早く、支払はなるべく遅いほうがうまくいくのです。
経費の節減につながる
法人カードにも個人カードと同じポイントプログラムがあります。
一部カードではポイントサービスがないこともありますが、大多数のカードではポイントが付くので、ポイントを貯めてキャッシュバックすれば実際の経費節減になります。
また法人向けのマイレージカードを利用すればマイルが貯まり、マイルで無料航空券への交換ができるので出張費の節約にもなります。
ポイント以外でも優待サービスや付帯保険、ビジネス向けサービスなど節約に結びつくサービスが豊富です。
口座を個人カードと別にできる
個人事業主の場合、支払い口座を個人カードと法人カードで別にすることで、経費の支払と個人消費の支払を管理することができます。
法人代表者の場合も法人カードの口座を法人銀行口座に個人カードは個人名義の口座にすればきちんと仕分けができます。
基本的に個人口座から経費の支払を行うと税務署から指摘される可能性があります。
また法人カードによっては個人利用すると会員規約違反になることもあるので、口座はきちんと区別しておきましょう。
会社設立前に印鑑の準備することは意外に大切
日本ではまだ印鑑社会なので新設法人にとっても法人印は大切なものの一つです。
法人設立で忙しくて印鑑を作るのを忘れると、お金に関することがほとんどできなくなります。
まず口座開設ができなければ資金を調達することも、法人カードを作ることもできません。
法人が必要な印鑑は1種類ではないので確認しておきましょう。
代表者印(法人実印) | 丸判と呼ばれていていちばん重要な印鑑です。法務局に届ける実印。 |
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銀行印 | 文字通り銀行に届ける印鑑。 |
社印 | 通称、角判と言われていて、個人に例えると認印の役割を持つ。 |
ゴム印 | 会社名、住所、電話番号、代表者名入りのゴム印。シャチハタも多い。 |
おすすめ法人カード
最後におすすめの法人カードをご紹介しましょう。
新設法人では入会が難しいカードもありますが、先に信販系の法人カードを作ってクレジットヒストリーを積むことで入会しやすくなります。
また、法人口座開設が必要になりますが、新設法人が口座を作るのも意外に難しく、時間もかかるので早めに準備しておきましょう。
楽天銀行などは比較的簡単に作れるようです。
JCBカードの法人向け一般カード。年会費は一般カードと同じ税込1,250円(初年度無料)。法人または個人事業主が対象。付帯保険も最高3,000万円の海外旅行傷害保険と国内旅行傷害保険。ポイントプログラムはOki Dokiポイント。
スタンダードなサービスに加えてビジネス向けサービスも充実しています。
JCB法人カードにはゴールドカードもあるので、叱責を積み重ねてグレードアップすることもできます。
年会費税別20,000円。法人、個人事業主のほか社員も申込可。
最高1億円の海外旅行傷害保険やプライオリティパス、コンシェルジュサービスやアメリカン・エキスプレスの海外諸侯サービスなどが満載で、コストパフォーマンスが高い法人カード。
設立1ヶ月で審査を通ったという情報もあるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
設立間もない法人でも法人カードの利用には大きなメリットがあります。
経営者にとって法人カードは必須のツールとも言えるので、早くからのカード利用がおすすめです。
施設法人の法人カード選びは難しいですが、クレジットカード会社もカード利用金額が大きい法人カードに力を入れています。
銀行系以外それほど審査は厳しくないので、早めに法人カード利用をしましょう。
起業・開業後におすすめの法人カード
入会金 | 年会費 | 旅行損害保険 | 発行までの時間 |
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無料 | 22,000円(税込) | 海外:最高1億円 国内:最高5,000万円 |
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入会金 | 年会費 | 旅行損害保険 | 発行までの時間 |
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無料 | 初年度無料 翌年度以降1,250円(税別) |
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