ビジネスローンの借り換えを検討すべきタイミングとは
借り換え融資は住宅ローンでよく行われている融資で、市場金利が変動したタイミングで低金利の住宅ローンに借り換えるのが一般的です。
借り換え融資は住宅ローンだけに限られた融資ではなく、すべての融資で可能なので事業者向け融資のビジネスローンでも借り換えはできます。
利息負担を軽減するという意味では経費の節減にも役立つので、ビジネスローンの借り換え融資にも充分に価値があります。
今回はビジネスローンの借り換えするタイミングや借り換え先のビジネスローンの選び方を解説しましょう。
借り換えとは?
まずは借り換え融資の基本について、主に住宅ローンを例にしておさらいしておきましょう。
借り換え融資をする理由
住宅ローンの場合は返済期間が最長35年に及ぶので、その間に金利の変動が数多くあります。
もっとも理想的なのは固定金利が最低になったタイミングで借り換えをして、そのまま低金利を継続させることです。
そのため当初は変動金利で利用して、タイミングを見計らって固定金利に切り替えるのが一般的です。
つまり住宅ローンで借り換えをする理由は、長期間低金利を適用するためということになります。
一般的な融資の借り換えも基本的には同じ理由で行いますが、住宅ローンほど長期間の融資はありません。
また、住宅ローンは高額融資となるので、それほど大きな金利差がなくても借り換えによるメリットがありますが、一般的な融資では、ある程度金利差がなければそれほど借り換えのメリットは生じません。
住宅ローンでは年1%以上の金利差があれば、借り換えの検討が可能ですが、一般融資では年1%程度の金利差では借り換えの効果がないこともあります。
しかし、一般融資を借り換えする理由には返済を楽にするという点もあります。
つまり返済期間を延長することが目的の場合もあるので、それほど大きな金利差がなくても借り換え目的を達成することは可能です。
借り換えしてはいけない場合
借り換え融資をする場合は、借り換えの目的をはっきりさせて充分に目的を達成できる場合だけ借り換えをすることが重要です。
金融機関の融資担当者にすすめられてなんとなく借り換えをするのではなく、借り換えメリットを充分に理解してから実行しましょう。
借り換えをする場合は次のポイントをチェックしましょう。
・借り換え融資でどれだけ諸費用がかかるのか
・返済総額はどれくらいになるのか
ただ金利が下がるというだけでは借り換えメリットがあるかどうかはわかりません。
そのため上記のポイントを押さえて具体的な数字で、既存の融資を継続した場合と借り換え後を比較することが大切です。
返済額が同じでも低金利になることで返済期間が短くなるのであれば、借り換えメリットはあります。
特に担保ローンを借り換える場合は抵当権を設定し直すことになるので、諸費用も含めて融資すると既存の融資残高を上回る借り換え融資となります。
それでも毎月の返済金額が充分に下がるかどうかは重要です。
さらに返済総額で比較すると、借り換えメリットがあるかどうかがわかりやすくなります。
低金利で借り換えをしてもそれ以上に諸費用がかかったり、返済期間を延長したりすると借り換え前に比べて返済総額は大きくなります。
一般融資ではある程度返済総額が大きくなっても、返済を楽にできるというメリットのほうが上回ります。
しかし、高額融資、特に住宅ローンの場合は返済総額が下回る借り換えをしないと借り換えの意味はなくなるので注意しましょう。
ビジネスローンの金利基準は高め
ビジネスローンは事業性資金の融資なので、借り換えするメリットやタイミングは住宅ローンと違う場合もあります。
また、住宅ローンを利用する場合は時間をかけて検討するのが一般的ですが、ビジネスローンを利用するときは緊急な資金調達が必要な場合もあります。
そうした場合は特にビジネスローン借り換えの必要性が高くなります。
ビジネスローンとは?
最初にビジネスローンについて定義をしておきましょう。
この解説でのビジネスローンは、消費者金融会社、信販会社などノンバンクあるいは貸金業者と呼ばれている金融会社が提供する銀行融資以外のビジネスローンのことをいいます。
同じノンバンクでもクレジットカード発行専業会社では、ほとんど事業融資を取り扱っていないので、消費者金融系や信販系のビジネスローンが大半となります。
このビジネスローンの金利は最低金利年6%から上限金利18%といった幅があります。
最高金利が適用された場合は、後で借り換えが必要なケースが多くなりますが、最初から低金利の事業融資を受けていれば借り換えは必要ないことになります。
高金利のビジネスローンを利用した理由は、融資スピードと審査スピードを優先した結果といえます。
日本政策金融公庫等低金利の事業融資を利用すると、申込から融資実行まで3週間程度の期間が必要なのが一般的です。
これでは緊急なつなぎ融資などには対応できないため、提出書類が少なく長くても数日で融資実行が可能なビジネスローンを選択するのです。
高金利のビジネスローンでも、売掛金が現金化できるなどの返済財源があれば一括返済ができるので、金利負担はそれほどありません。
しかし長期返済をしなければならない事情があれば、リボ払いで返済するため金利負担が大きくなります。
こうしたケースの場合、借り換えの必要性が高いといえるでしょう。
ビジネスローン借り換えのメリット
ビジネスローンを借り換える場合も、やはりメリットは金利負担の軽減ということになります。
特に高金利のビジネスローンでは軽減できる利息の額も大きくなるので、低金利で借り換えるほどメリットは大きくなります。
借り換え先の例としては日本政策金融公庫が低金利の固定金利で事業融資をしているので最初に思いつくでしょう。
ただし日本政策金融公庫は借り換えローンという名称の融資制度はありません。
同じ日本政策金融公庫の融資を借り換えする場合も、既存の融資残高が半分以下にならなければ取り扱わない場合もあります。
つまり純粋な借り換えはできず、新規融資に加えて既存の残高分も上乗せして融資するのが基本です。
日本政策金融公庫でビジネスローンを借り換える場合は、ビジネスローンの残高が残ることが前提で新規融資として審査するということになります。
そのため、民間金融機関の中でも低金利となる都市銀行や、地元の事業者に密着している地方銀行や信用金庫などでの借り換えが現実的です。
ビジネスローン借り換えのタイミング
ビジネスローンを借り換えるタイミングとしては、長期返済になることが確定したときということになります。
短期返済ができるのであれば、利息負担は大きくならないので借り換えの必要性が少ないからです。
融資スピードを優先してビジネスローンを利用したときに、長期返済が確定しているのであれば、同時に低金利のローンを申込しておくのもいいでしょう。
そうすると審査期間の間だけビジネスローンを利用すればいいので、利息負担を減らすことができます。
ただし低金利ローンの審査を必ず通過するとは限らないので、一括払いではなくリボ払いを利用しましょう。
また、日本政策金融公庫のように他社の借り換えを前提とした融資をしない場合には、ビジネスローン申込前に申し込むという方法もあります。
ビジネスローンの短期利用ができないことがわかっているのであれば、審査に時間がかかる日本政策金融公庫に先に申し込んでからビジネスローンに申し込みましょう。
そうすることで日本政策金融公庫の審査では、ビジネスローン申込情報が個人信用情報機関に記録されていない状態となり、審査が通過しやすくなります。
ビジネスローンの利用があれば審査を通過しないというわけではありませんが、審査通過の可能性を高めるには効果的です。
これは日本政策金融公庫の審査に時間がかかり、ビジネスローンは即時融資が可能だからできる方法です。
ただし日本政策金融公庫がどのタイミングで個人信用情報機関を照会するのか、はっきりとはわかりません。
審査が開始されるときには照会は終了していると考えられるので、ビジネスローンに申し込むタイミングにも注意が必要です。
ビジネスローンの使い方
ビジネスローンは運転資金を少額の借入額に限定して、短期の一括払いで利用していれば、高金利でも資金調達方法として活用でき、借り換えの必要もまったくありません。
また、ビジネスローンも長く利用していれば最高金利が適用されていたとしても、借入限度額の増額をすることで金利を引き下げることも可能です。
高金利のビジネスローンは、一括払いを利用して利息負担を軽減しながら長く使って金利を下げるという使い方をしましょう。
その使い方ができずリボ払いを利用する場合もなるべく早いタイミングで低金利の借り換えをすることで、利息負担を軽減することができます。
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まとめ
利用者が事業者となり、資金使途も事業資金となるビジネスローンでは住宅ローンの借り換えにはないタイミングがあります。
場合によっては借り換えを前提としたビジネスローンの利用をすることも考えられます。
法人代表者以外の保証人なしで手軽に利用できるビジネスローンは、その反面高金利ですが最短で即日融資も可能というメリットもあります。
個人事業者や中小企業経営者は、ビジネスローンのメリットを生かしながら利息負担を減らす方法として借り換え融資も活用してみましょう。